文明滅亡後の世界を潜水艦で探索せよ、海底オープンワールドアクションゲーム『Diluvion』

第114回目は『Diluvion』を紹介する。本作は大洪水によって文明が滅亡したifの未来を描くオープンワールドアクションゲームだ。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第114回目は『Diluvion』を紹介する。本作は大洪水によって文明が滅亡したifの未来を描くオープンワールドアクションゲームだ。全てが水面の下に沈んだ世界を舞台に、プレイヤーは潜水艦のキャプテンとなって未知の海底を探索してゆく。

海底の不思議と古代遺跡を調査

ip-114-diluvion-001
ソナーで周囲の様子をチェック

かつて『Diluvion』の世界は大洪水(Great Flood)によって水面下に沈み、瞬く間に文明は滅亡した。現在は海面を分厚い氷の層が覆っており、残された人類は海底に都市を築いて暮らしている。主人公は潜水艦のキャプテン志望者であり、幸運にも潜水艦の指揮を任される栄誉を初めて与えられた。プレイヤーは乗組員たちに指示を出しながら、海底に広がる古代遺跡や不思議な現象を調査してゆく。

『Diluvion』は海底探索と潜水艦での戦闘に焦点を当てた作品だ。海底探索においては、「ソナー」と「サルベージ用装置」を駆使する。「ソナー」は周囲の環境を把握する本作の重要なメカニックで、ソナー音を発すると視認できていなかった周囲の構造が浮かび上がってくるような映像がトレイラーでは確認できる。ただし、「ソナー」を使用するとその音です周囲の敵にも位置がバレてしまうため、使用には十分な注意が必要だ。

戦闘は『Wing Commander』や『Freelancer』といったスペースコンバットゲームに影響を受けているという。海底という3D空間を舞台に、潜水艦を操作して周囲360度から襲い来る敵を撃退してゆく。本作の特徴となるのが内部の船員の配置を変更できる点だ。砲手や操縦士など、船員はさまざまなクラスに分類され、さらにそれぞれが独自のスキルを有している。船員はAI操作でも動き、各キャラクターが自身の判断で敵を攻撃したりする。ゲーム内では後半になると巨大な潜水艦を操作することになり、さらに必要になる船員も増えるので、船員の配置には頭を悩ませることになりそうだ。

ip-114-diluvion-002

作り込まれた海底世界

ip-114-diluvion-003ここ最近『Iron Fish』や『The Aquatic Adventure』など、どうも海底を舞台にしたゲームが多いように思うが、そんな作品の中でも『Diluvion』の海底描写は特に美しい。きらびやかな海底空間とおぞましい敵の数々は見事なものだ。また潜水艦の操作パートは3Dビジュアル、街の探索や潜水艦内部のパートは2Dビジュアルで描かれているのも特徴である。

オープンワールド作品ということで、世界観の作り込みも忘れられていない。本作には「The Icers」、「The Royals」、「The Dwellers」の3つの派閥が存在しており、それぞれが独自の文化や技術を有している。「The Icers」は氷の層に穴を開け、その周囲にコロニーを展開している派閥だ。先進的な技術を有しており、いつか氷の層を突き抜けることを夢見ている。「The Royals」は海底に沈んだ都市“Old World”に住み着いており、強大な軍事力を持ってして、この世界の統率者になろとしている。「The Dwellers」は漁業や鉱業を生業としており、暗い海の底に住んでいる。彼らは海底生物を崇める宗教を信じており、迷信深くもある。

『Diluvion』の開発はカリフォルニアのインディーデベロッパーArachnid Gamesが担当。すべてをペンで描いたような世界観が特徴の2Dアクション『Ballpoint Universe』を2013年にSteamPLAYISMにてリリースしている。『Diluvio』は2014年から開発が進められており、PC/Mac向けにSteamでリリース予定だ。2種類の拡張パックの配信も予定されており、Kickstarterファンディングにて10ドル以上を支援すれば、全ての拡張を無料で入手できるようになる。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

記事本文: 1728