謎解きアクションアドベンチャー『Crossing Souls』 5人の子供と死者の石

スペインのデベロッパーFouratticが開発中の同作は、5人の子供たちが体験するひと夏の冒険を題材としたアクションアドベンチャー作品だ。クラシックなゲームデザインや、20年から30年前の海外アニメのようなカットシーンなど、「1980年代」が1つのテーマとなっている。

最新のインディーゲームをピックアップする週刊連載Indie of the Week。今週は『Crossing Souls』を紹介する。スペインのデベロッパーFouratticが開発中の同作は、5人の子供たちが体験するひと夏の冒険を題材としたアクションアドベンチャー作品だ。クラシックなゲームデザインや、20年から30年前の海外アニメのようなカットシーンなど、「1980年代」が1つのテーマとなっている。

 


5人の少年少女と死者の石

 

『Crossing Souls』の舞台となるのは1986年、夏のカリフォルニア州である。主役はどこにでもいるような5人の少年少女たちだ。あるとき町外れの森のなかで、は死者と生者の次元を繋げる石「Duat Stone」を発見する。好奇心旺盛な5人組が冒険を繰りひろげ、不思議な力を持った石を狙う政府組織や米陸軍とひと夏の騒動を巻きおこしていく。

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『Crossing Souls』は、RPGタッチのアクションアドベンチャーであり、影響を受けた作品の1つとして『ゼルダの伝説』が挙げられている。プレイヤーは5人組のパーティーを操作して、多種多様なロケーションを探索し、ミステリーやパズルを解いていく。「Duat Stone」を使用すれば、死者と出会い物語のヒントを得ることが可能だ。類人猿からヴァイキング、アメリカ南北戦争の兵士にインディアン、歴史的な偉人、さらには恐竜や未知の生命体までもが登場する。ときには死者の魂と戦うことにもなる。

また5人の少年少女たちは、それぞれ独自の能力と武器を持っており、これを組みあわせて難局を突破することになる。リーダー格の「クリス」は移動能力が高く、ガリ勉の「マス」はハッキングとハイパー銃での遠距離攻撃が得意だ。紅一点の「チャーリー」は物を正確に投げる能力を持ち、「ビッグジョー」は力持ち。クリスの弟である「ケビン」は、人に気づかれずに隠れて行動することができる。

『Crossing Souls』は、青沼英二氏の『マーヴェラス ~もうひとつの宝島~』を思いおこさせる作品である。5人組が様々な時代の死者たちと出会うのと同様に、『マーヴェラス』では様々な島を3人組の少年たちが冒険する。1度に1人しか操作できないため、どのキャラクターを選択するのか考慮する必要があるのも同じだ。「Duat Stone」を通じてな多様な時代の死者と交流し、個性豊かな5人組の能力を戦略的に駆使するのが、『Crossing Souls』の魅力である。

 

現在『Crossing Souls』は、Kickstarterにて4万5000ドルの獲得を目指すクラウドファンディングを実施中だ。対象プラットフォームはPCとMac、Linux。2015年の発売が予定されている。『Hotline Miami』などをパブリッシングしたDevolver Digitalとのパートナーシップが決定しており、ローカライズやプロモーションなども決定している。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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