逃走劇サバイバルホラー『Outlast』の続編が開発中

今週は逃走劇サバイバルホラー『Outlast 2』を紹介する。前作『Outlast』は2013年9月に発売され、国内外で高い評価を得た一人称視点のサバイバルホラーゲームだ。今週、ホラーカルチャーを取りあつかう有名ブログBloody Disgustingのインタビューにて、『Outlast』の続編となる『Outlast 2』の存在が明らかにされた。

筆者が目をつけた最新のインディーゲームを毎週紹介してゆくIndie of the Week。今週は逃走劇サバイバルホラー『Outlast 2』を紹介する。前作『Outlast』は2013年9月に発売され、国内外で高い評価を得た一人称視点のサバイバルホラーゲームだ。今週、ホラーカルチャーを取りあつかう有名ブログBloody Disgustingのインタビューにて、『Outlast』の続編となる『Outlast 2』の存在が明らかにされた。

 


「逃走劇」に着目した初代『Outlast』

『Outlast』は2012年10月に正式発表された作品だ。開発元はRed Barrels。当初『Outlast』は、『Assassin's Creed』など有名タイトルの開発経験があるスタッフが手がけることでも注目を浴びたが、それ以上に50秒足らずのデビュートレイラーが話題となった。いままでのホラーゲームでは見たことがないようなスリリングでスピーディーな逃走劇に、当時、心をうばわれたホラーファンも多いのではないだろうか。

『Outlast』の舞台となるのは、コロラドの山奥にある精神病院Mount Massive Asylumだ。主人公であるフリージャーナリストMiles Upshurは、この精神病院にて大企業Mrkoff Corporationがなにかよからぬことを進めているという密告を受ける。プレイヤーは彼を操作して精神病院を探索し、内部でなにが起きているのか真相を暴かなければならない。

主人公がビデオカメラの暗視装置を使って暗闇のなかを進んでゆくのも、頭のトチ狂ったサイコパスたちと出会うのも、『Outlast』における楽しい要素の1つだ。だが同作の最大の魅力はやはり「逃走劇」にある。ゲーム中、Upshurを見つけた敵は執拗にどこまでも彼を追いつめてゆく。ほかのホラーやステルスゲームでも延々と敵が追いかけてくることはあるが、『Outlast』では主人公と敵が息をあらげ必死に走りつづけるのである。ジェットコースターのように次から次へと場面が移りかわる『Outlast』の逃走劇では、いままでの一人称視点ホラーにはなかった臨場感と緊迫感を体験することができる。

 

同じ世界とアプローチで描く『Outlast 2』

 

Red Barrelsは2013年9月に『Outlast』をローンチし、海外メディアやホラーファンから良好な評価を獲得した。2014年に入ると、密告者を主役とした前日譚DLC「Outlast: Whistleblower」にくわえ、PS4版とXbox One版を発売した。

スタジオ創設メンバーの1人Philippe Morin氏によれば、『Outlast 2』の開発はXbox One版『Outlast』を6月に発売してから開始されたという。つまりまだ開発がスタートして4か月ほどだ。続編は『Outlast』と同じ世界観だが、異なるキャラクターと設定で新たなサバイバルホラー体験を描くことになるという。またPhilippe氏はゲームの舞台に関して「いつの日かMount Massive Asylumに戻るかもしれない」としたが、現在は自分たちがやりたい新しいアイディアとテーマがあるとした。『Outlast』での精神病院での出来事から『Outlast 2』へどう繋がるのか、発売時期や対象プラットフォームがどうなるのかについては明らかにされていない。ただPhilippe氏はいままでに創りあげたものを改善していきたいとした一方で、ゲームへのアプローチは初代『Outlast』と同じものになると説明している。

Bloody Disgustingの記者は、複雑な操作性に悩まされない初代のアプローチを引きつぐのか、こちらから敵を撃退できるような要素が続編ではあるのかと質問したが、これに関してもPhilippe氏は明確に返答しなかった。『Dead Space』や『バイオハザード』などのシリーズ最新作をみれば、サバイバルホラーである『Outlast』にアクション寄りの調整がくわえられるのではないかと心配するのはしかたのないところだ。筆者としては、前作の逃走劇は演出面こそすごいものの、ちょっとしたコツさえ掴めば簡単に逃げきれてしまう点が残念だった。ただの逃走劇とはならない、やりがいのあるプレイングを期待したい。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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