毎晩死んでしまう男が主役の逆パックマン『The Spookening』

ジャック・オー・ランタン微笑むハロウィーンが直前の今回取り上げるのは、強引に言ってしまえば逆『パックマン』とでもいうようなコンセプトが感じられるアクションゲーム『The Spookening』です。同作は今年4月にも iOS / Android 向けにリリースされたタイトルで、現在は Steam Greenlight にてクオリティアップが図られた PC 版のリリースを目指しています。

筆者が心惹かれた未来のインディーゲームを好き勝手に紹介していく『Indie of the WeekIotW)』。ジャック・オー・ランタン微笑むハロウィーンが直前の今回取り上げるのは、強引に言ってしまえば逆『パックマン』とでもいうようなコンセプトが感じられるアクションゲーム『The Spookening』です。同作は今年4月にも iOS / Android 向けにリリースされたタイトルで、現在は Steam Greenlight にてクオリティアップが図られた PC 版のリリースを目指しています。

『The Spookening』は、自然発火などなぜか奇妙な事故が続き毎晩死んでしまう主人公ハーマンが、亡霊となってクリフタウンに住む人々を驚かせ、彼らからソウル(霊魂エネルギー)を集め生き返るというホラーテイストのタイトル。ゲームはステージクリア型の見下ろし視点アクションとなっており、町中で住民を脅かして集めたソウルを制限時間内にハーマンの死体に注ぎ込むことでクリアとなります。

ハーマンはゲーム開始時点からすでに亡霊と化しており、ただふらっと目の前に現れるだけで道行く人々を驚かし、また溜め押しで前方に放つ雄叫びパワーで遠くに居る人々を震え上がらせます。驚いた住民たちは星形のソウルを落とすので、これに触れればソウルの入手は完了というわけです。

 

 

またこれとは別のソウル獲得手段であり、本作の目玉となるのがオブジェクトギミックです。亡霊ハーマンは特定の草木や車などに集めたソウルを注ぎ込むことで派手な怪奇現象を起こし、広範囲に渡り住民を驚かせ大量のソウルを獲得することができます。各オブジェクトにつきギミックは1度きりしか使えないため使用タイミングは重要ですが、人が密集した状態で使えば効率よくソウルを集めることが可能です。

ただし、ただ逃げ惑うか弱き子羊のようなクリフタウンの住民は、ソウルを奪いすぎると死亡し主人公と同様に亡霊になってしまいます。亡霊となった住民たちは、ハーマンの霊体を見ると奪われたソウルを取り戻そうとしつこく追跡して来るため、ゲーム中は常に彼らから逃げつつ行動しなければなりません。そしてオブジェクトギミックは強力なものであれば人々のソウルを1度で奪いきってしまうため、大量の住民たちを一挙に亡霊化させてしまいます。

どちらもクリアに必須のメカニックであり、周囲に敵が集まった状態で使用する点は同じ。しかし『パックマン』のパワーエサが無敵のゴーストを弱体化し危機を脱するのに対し、『The Spookening』ではオブジェクトギミックがか弱い住民たちを凶悪なゴーストへと変身させピンチを招くこととなります。

 

特定のステージでは、攻略中に余ったソウルをゴールドに変えることが可能。ゴールドを使えば一時的に住民から見えなくなる、住民を引き寄せるといった8種類のアクティブスキルを購入することが出来ます
特定のステージでは、攻略中に余ったソウルをゴールドに変えることが可能。ゴールドを使えば一時的に住民から見えなくなる、住民を引き寄せるといった8種類のアクティブスキルを購入することが出来ます

 

魅力的なアイディアを見せてくれている『The Spookening』、スマートフォン版は20ステージで構成される1ドルゲームです。PC 版は Steam Greenlight を通過すればグラフィックやサウンドの改善を行うとされていますが、よりPCゲーマーの琴線に触れるコアな追加要素も見せて欲しいところです。ただ前述したように『The Spookening』はスマートフォン版が配信されており、無料体験版も配信されており、さらに怪しい日本語ながらローカライズも施されています。とりあえずプレイして気に入れば「いいね!」を押しておくのも良いかもしれません。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

記事本文: 1728