一人称視点ウィーク スペースRTS『Flagship』提督を一人称視点で

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筆者が毎週チェックしたインディーゲームのなかから最新作を紹介する週間連載企画Indie of the Week。TGS 2014の熱も冷めやらぬなか、第48回はいつもどおり筆者の趣味全開で素敵な作品をピックアップしてゆく。今回取りあげるのはどれも一人称視点、『Flagship』と『Astray』と『Gimoire』の3本だ。

 


一人称視点で指揮する宇宙艦隊RTS

 

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タイトル名: 『Flagship
ジャンル: 一人称視点RTS
開発: UrbanLogicGames
発売: 2016年12月

英国の開発者Brad HeffreyがスペースコンバットRTS『Flagship』の開発資金集めをKickstarterにてスタートした。目標は9万5000ドルとそれなりに高額だが、開始5日間にして2万6000ドル以上を集めるなどなかなかの支持を集めている。『Flagship』では太陽系外に位置する敵対勢力に攻撃を受け滅亡の危機に瀕した人類のストーリーを描く。プレイヤーは人類の生き残りとして艦隊を率いて再興を目指すか、新たな帝国を築きあげなけらばならない。

よくある銀河征服をテーマにしたRTSのように聞こえるが、最大の特徴はプレイヤーの視点が俯瞰ではなく一人称である点だ。艦隊全体を見下ろしつつ緻密に配置したUIから情報を得るのではなく、プレイヤーは艦隊を指揮する提督の視点でゲームをプレイする。味気ないUIではなく艦内に設置されたディスプレイに表示される各種情報を収集し、それらをもとに指揮をくださなければならない。最近の流行にならうならば「宇宙艦隊提督シミュレーター」といったところだ。

艦隊はブリッジに配置されているマップテーブルから指揮する形になる。フライトシミュレータのような凝った操作機器が用意されているかは明らかにされていない。だがトレイラーにある重量感あふれる艦隊戦はすばらしい。ブリッジの窓から外に広がる宇宙空間に、突如として敵艦隊がワープで出現する様子にはおもわず身震いするだろう。同作は2016年に発売予定、2015年7月には支援者向けのベータ版配布が予定されている。

 


一人称視点の怪奇ミュージアム脱出ホラー

 

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タイトル名: 『Astray
ジャンル: 一人称視点ホラーアドベンチャー
開発: Aegon Games
発売: 未定

ここ最近また多数の一人称視点ホラーアドベンチャーゲームがSteam Greenlightに登場しているが、そのなかでもAegon Gamesの『Astray』はなかなか面白そうだ。本作の舞台は怪しげな文化や伝説、超自然現象を取りあつかう博物館となっており、その場所には邪悪な"なにか"が現れつつある。プレイヤーは博物館の謎を解いて生き延びなければならない。ゲームプレイはオーソドックスなパズル要素ありのアドベンチャーゲームで、博物館内のオブジェクトを移動させることでさまざまな仕組みを解いてゆく。

Unreal Engine 4の採用やOculus Riftのサポートは、もはや一人称視点ホラージャンルでは特筆すべき点ではない。だがここ最近登場した作品のなかでは素直に期待できるタイトルだ。価格は8ドルから15ドルが想定されている。無事発売されたあかつきには、ひとまずチェックしてみる作品になるだろう。

 


一人称視点マジックバトル

 

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タイトル名: 『Grimoire
ジャンル: 一人称視点マジックバトル
開発: Omniconnection
発売: 2015年Q4

チュニジアのノックスヴィルに位置するデベロッパーOmniconnectionが、一人称視点のマジックバトルマルチプレイヤー『Grimoire』を開発中だ。一人称視点のマジックバトルというとSteamで先日配信が開始された『Lichdom: Battlemage』を思い浮かべる。こちらの『Grimoire』はマルチプレイヤーを中心にすえたハイペースなコンバットアクションゲームだ。開発からは「マルチプレイヤーFPSの戦闘と戦略的MOBAが出会った作品」であるとも説明されており、トレイラーを見るかぎりはまさにそんな感じだろう。

ゲームにはPvPのコンクエスト、アリーナと2種類の対戦ルールにくわえ、「Safeguard」と呼ばれるCo-opモードが用意されている。映像をチェックすると、天空から隕石が降り注ぐ範囲攻撃から『Quake』のライトニングガンのような電撃まで、さまざまなスペルが存在しているようだ。天高く飛び上がって炎弾を撃ちこんだり、爆風で敵を吹きあげて追い打ちをかけたりと様々なコンボも確認できる。発売は2015年1月を予定。

 


今週のピックアップは『Flagship』

 

Mount&Blade』など戦場を指揮しつつ自身もヒーローユニットを操作して戦うアクションストラテジーゲームは存在するが、主役が指揮のみをとる人物であるストラテジーゲームで一人称視点をやるのはめずらしい。インゲームのスクリーンから艦隊を操作するだけのただ面倒な作品になる可能性もあるが、開発陣が挙げている『スター・トレック』や『バビロン5』、『宇宙空母ギャラクティカ』といったSF作品の世界観を再現するゲームになることを願いたい。

 

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初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。