軌道制御で宇宙探索 『Celestial Command』

Indie of the Weekは毎週何十本も登場するインディーゲームプロジェクトのなかから筆者が気になったものをピックアップしていく週刊企画。今回は『EVERYTHING』、『Celestial Command』、『Band Saga』の3本を紹介する。

Indie of the Weekは毎週何十本も登場するインディーゲームプロジェクトのなかから筆者が気になったものをピックアップしていく週刊企画。今回は『EVERYTHING』、『Celestial Command』、『Band Saga』の3本を紹介する。

 


生首ドリームアクション

 

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タイトル名: 『EVERYTHING
ジャンル: 一人称視点アクション
開発: Evil Indie Games
発売日: 2014年12月

「シュールな一人称視点アドベンチャー」と紹介されている。本当にそれですべてなのかもしれない。『EVERYTHING』は開発者が即興的に描いた奇妙な世界を舞台とする一人称視点のジャンプアクションゲームだ。『EVERYTHING』ではベンジャミン・フランクリン、マリリン・モンロー、ワイアット・アープらの生首が飛びかう脈絡のない世界観が展開されている。プレイ中には「ウルトラレトロラジカルサウンド」と名づけられた単調なBGMがぐるぐるとまわりつづけ、足場を踏みはずすと格言らしきアドバイスを3人が投げかけてくれる(そこだけ切り出せば『Call of Duty: Modern Warfare』的だ)。

48時間のゲームジャム「Techland Game Jam」にて開発された本作は、Evil Indie Gamesが開発した『superfrozenkittengetsonlyonesecretbottleforyou』と同様に開発者のセンスとアートスタイルと"遊び"が先行したゲームだろう。「マリリン・モンローの生首を浮かせてみよう」などと考えだした開発者たちの奇妙な思考回路を思索するのも一興だ。

 


軌道制御&宇宙探索

 

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タイトル名: 『Celestial Command
ジャンル: スペースコンバットシミュレーター
開発: Celestial Command開発チーム
発売日: 2014年Q4

宇宙空間における軌道シミュレーションをテーマにした作品は定期的に目にするが、そんななかでも『Celestial Command』構想は壮大な部類だ。Steam Greenlightに登場した本作は、サンドボックス型の宇宙探索ゲームに軌道メカニックが組みこまれているのが特徴的である。露骨にゲーム然とした非現実的な挙動ではなく、軌道制御に人工衛星のローンチ、隕石群からの惑星防衛などをリアルに描くことを謳っている。さらに資源の採取、燃料消費などの船体運用、搭乗機のモジュール式カスタマイズ、艦隊指揮などもプレイヤーの手にゆだねられる。

ほかにも興味深い点として、『No Man's Sky』にも似たシームレスな星系の自動生成要素があげられる。開発チームのアピールいわく、無限に広がる宇宙空間を探索することができるとのこと。この大規模な構想をたった3人の開発者で構成されているチームで実現できるか、未知数といわざるをえない。Greenlitし早期アクセス入りするかどうかがひとまず見どころだろう。

 


ミュージカル・ローグライク

 

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タイトル名: 『Band Saga
ジャンル: ミュージカル・ローグライク
開発: Rekcahdam
発売日: 2015年

バチカン市国在住のアーティストという異色の肩書を持つRekcahdamによる『Band Saga』のKickstarterがはじまっている。銀河戦争に巻きこまれた若き男女ロックコンビの冒険を描くタイトルだ。プレイヤーは様々な都市をめぐってロックコンサートを成功させつつ、都市間移動中に襲ってくる地球外生命体たちを撃退してゆく。

「ミュージカルローグライク」なるゲームデザインを標榜する本作では、各都市で演奏する楽曲と宇宙人撃退パートにて登場するダンジョンのレベルデザインが符号する。プレイヤーは旅のあいだに雇用したロックメンバーや入手した特定のメロディでサウンドトラックを編曲することができる。それにあわせて敵やアイテムの配置など、ダンジョンのレイアウトが変わる。「ミュージカルローグライク」の具体的な部分は現時点ではあきらかにされていないが、、トレイラーからは充分に楽しげな雰囲気が伝わってくる。ローグライク&リズムアクションつながりということで、『Crypt of the Necrodancer』とともに期待したい。

 


今週のピックアップ『Celestial Command』

 

現時点では製品版16ドル、早期アクセス版8ドルでの販売が告知されている。ファンからよせられるアイデアにも期待するとしており、また少数名での開発であることからも、早期アクセスを通しての長期プロジェクトになることが予想される。そうしたスタイルについて現状をかんがみると期待と不安が入りまじらざるをえないが、Steamでリリースされるならば筆者は未完成でもひとまず購入するだろう。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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