惑星探索サンドボックスサバイバルゲーム『Proven Lands』広がるオールドSFワールド

今週はドイツのベルリンに位置する新規スタジオ thesetales Ltd の『Proven Lands』をピックアップします。昨今ゲーム界隈で大きな流行を見せているサンドボックスサバイバルジャンルにて、期待の新星として海外メディアからも注目を集めているこの『Proven Lands』は、『Don’t Strave』や『Project Zomboid』と同様の見下ろし視点型アクションをベースにした作品です。

ishigenn が未来の人気ゲームになるかもしれないインディーゲームたちを先んじて毎週紹介していく【Indie of the Week(IotW)】。今週はドイツのベルリンに位置する新規スタジオ thesetales Ltd の『Proven Lands』をピックアップします。昨今ゲーム界隈で大きな流行を見せているサンドボックスサバイバルジャンルにて、期待の新星として海外メディアからも注目を集めているこの『Proven Lands』は、『Don’t Strave』や『Project Zomboid』と同様の見下ろし視点型アクションをベースにした作品です。

船外作業中にデブリの襲撃を受け故障した宇宙船がとある惑星に不時着、命からがら助かった搭乗員の1人であるフォークリフト担当者が、その惑星で生 き延びていくことを目指すサンドボックスサバイバル『Proven Lands』。舞台となる惑星は自動生成で30種類以上の地形がシームレスに形作られていき、3種類の知能を有するエイリアン種族と野生生物や昆虫が登場 し、もちろん未知なる植物と鉱物であふれかえっており、天候の変化や昼夜サイクルも存在します。

 

ゲーム中には複数の惑星が登場し、プレイヤーの目標は次の惑星へジャンプトラベルするためのジャンプゲートを構築することになります。ジャンプゲートは使用すると2度と元の惑星に戻れなくなるものの、開発陣曰く生き延びるためにせわしなく行動するだけではない、「もう1時間」と探索や考察がしたくなる余韻のあ る作品が目指されているとのこと
ゲーム中には複数の惑星が登場し、プレイヤーの目標は次の惑星へジャンプトラベルするためのジャンプゲートを構築することになります。ジャンプゲートは使用すると2度と元の惑星に戻れなくなるものの、開発陣曰く生き延びるためにせわしなく行動するだけではない、「もう1時間」と探索や考察がしたくなる余韻のあ る作品が目指されているとのこと

 

プレイヤーが出来ることや影響されるシステムは多岐にわたり、簡潔に伝えるならば thesetales が影響されたゲームとして挙げている『Project Zomboid』や『Don’t Strave』、『Minecraft』のオールド SF 版というフレーズがピッタリと当てはまります。野生動物、略奪者や奴隷商人との戦闘は、近距離から遠距離武器とデフェンスアイテム、さらに乗り物を含む小 さな防衛の役割を果たす建築物などの要素が存在します。自動で鉱石を掘り出す装置、水採取用のドリル、エネルギーや酸素のジェネレーター、食料抽出装置な どの建設。居住区の確保、田畑のファーミング、『Sid Meier’s Alpha Centauri』に似た6つのモジュールや素材から作り出すクラフティングシステム。シャベルやスキャナ、ナビゲータに発電機などのツール、デバイス、 武器、車両も登場します。惑星上に存在する3種類の様々なエイリアン種族NPCとはトレードが可能です。

さらには特定の経験でアンロックされていくメディックやパイロット、エンジニアや兵士、科学者やアンドロイドといったクラス制度、そしてローグライ クなスキル成長。スキルを通じて調査していく未知のテクノロジーと、それによってアンロックされていく新たなアイテム。もちろんサバイバルゲームの醍醐味 である酸素欠乏やエネルギーの消費、空腹および喉の渇き、悪化するとうつ病や発熱を招く精神状態といったシステムも完備されています。一言で言えば 『Proven Lands』とは、あなたが見知らぬ惑星にほっぽり出されて、そこで生きていくためにはなんでもやらねばならない、あるいはなんでもできてしまう、生存探 索シミュレーターなのです。

 

『Proven Lands』には「ペンとペーパーのゲームマスター」と称される AI メタゲームエンジンが存在し、地形の生成や各プレイヤーの体験、構成などに影響を与えていく。例えば地形に加えプレイヤーの精神状態、エイリアンの生息 マップなどが変化していき、常にランダムなプレイ体験を楽しめるようになっている模様
『Proven Lands』には「ペンとペーパーのゲームマスター」と称される AI メタゲームエンジンが存在し、地形の生成や各プレイヤーの体験、構成などに影響を与えていく。例えば地形に加えプレイヤーの精神状態、エイリアンの生息 マップなどが変化していき、常にランダムなプレイ体験を楽しめるようになっている模様

 

他にも『Proven Lands』で抑えておくべき点が70年代から80年代的なオールド SF の世界観と雰囲気です。一見するとどこか地球に似ているような、しかしよくよく見ると地面から生えている植物や道を行く生物たちは奇っ怪きわまりないとい うワールドは、サバイバルサンドボックスゲームにおいて古臭くはなく逆に新鮮さすら感じます。自らをサイエンス・フィクションのフリークだと名乗る thesetales によれば、同作は「Star Trek」や「Aline」といった SF 作品に影響されるだけでなく、実際に存在する物理学や生態学、科学および現実味を帯びている SF 要素のミステリーを土台に構築されており、骨太の極上クラシック SF ワールドが期待できそうです。

現在『Proven Lands』は Kickstarter にて29万9千ポンドを目指すクラウドファンディングを実施しているほか、 Steam Greenlight にも登録中。どんなゲームかわからないというユーザーは、こちらから Windows 向けのデモをダウンロードすることが出来るので、実際に惑星にほっぽり出されてみましょう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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