『The Hong Kong Massacre』 香港ノワールを添えた『Hotline Miami』
毎週ishigennがインディーゲーム最前線の中から目星をつけたタイトルを紹介していく【Indie of the Week(IotW)】。今週はトップダウンシューター『The Hong Kong Massacre』をピックアップします。2012年に発売された『Hotline Miami』が記憶に新しい同ジャンル。『The Hong Kong Massacre』はまだ開発中であるものの、『Hotline Miami』的なバイオレンス性に香港ノワールの空気感を添えた、味のある一品に仕上がりそうです。
インディーゲーム好きたちが夜な夜な集う海外フォーラム TIGFormus に て、先月末にも開発者によりスレッドが立ち上げられたトップダウンシューター『The Hong Kong Massacre』。プレイヤーはゲームの舞台である香港にてトライアド(香港におけるマフィアや暴力団)のリーダーを追う人物という設定で、クラシック な香港アクション映画のガンファイトシーンにおける強烈さと破壊表現にインスパイアされています。
もちろん映画『男たちの挽歌』で香港ノワールを決定づけたジョン・ウー監督お得意のスローモーション演出、ゲームジャンルでいう『マックス・ペイ ン』のバレットタイムも取り入れられる予定。まるで剥き出しの暴力とノンストップのスピードアクションを描いていた『Hotline Miami』に対し、『The Hong Kong Mssacre』ではスローモーションのなか弾丸を避けつつ敵を撃ち殺すヒロイックなアクションシーンが体験できる模様です。
残念ながら現時点でトレイラーは近日公開予定とされている『The Hong Kong Massacre』。披露された gif イメージからは『ストラングホールド』や『Sleeping Dogs』のような香港が舞台のゲームの空気感、スローモーション中に敵を避け一撃必殺の銃弾を食らわす迫力満点のバイオレンス性が垣間見えるところ。一 撃の弾丸によってまるで血の噴水のように吹き飛ばされ血の湖を描く男たちは、まさにノワール映画の刹那の死を美しく強烈に描いているように感じ入ります。
現在フォーラムに立てたスレッドなどでアイディアを集めつつ開発が続けられているのが『The Hong Kong Massacre』です。極彩色のサウンドとサイケデリックグラフィックで独自のセンスを示した『Hotline Miami』に対し、同作は『男たちの挽歌』シリーズや『その男凶暴につき』や『ソナチネ』などのエキゾチックなアジアンノワールワールドを広げてくれそ うです。開発を担当する Vreski Games やゲーム自体の詳細はまだあきらかになっていませんが、特に同ジャンルの愛好家たちにとっては目が離せない注目作となりえるでしょう。