切って崩して変形させて、粘菌系2D横スクロールアクション『Mushroom 11』
筆者が未発売やヒット前のゲームからビビッときたインディータイトルを毎週紹介していく【Indie of the Week(IotW)】。気づいたら大掃除で綺麗になっていた部屋が汚れはじめていた1月第5週目は、粘菌のような謎の生命体を操作する2D横スクロール アクション『Mushroom 11』をお届けします。
人類文明が滅んだらしき終末世界に生まれてしまった謎の生命体が、過酷な環境で生き延びていくという2D横スクロールアクションゲーム 『Mushroom 11』。ゲームの主役となる緑色の粘菌のような生命体は、どんな形状にも変化できる上に分断されても生き延びることが可能で、プレイヤーは生命体を切断し たり変形させたりしつつ各ステージの障害を乗り越えていきます。トレイラーでは生命体を縦長くして高所に登ったり、動くオブジェクトに絡みつくような形へ 変形ししがみついたり、ジャンプした際に組織を切り離して遠くへ飛んだりといったメカニックが確認できます。
本作で最も目を引くのは、この自由に切断したり変形させたりすることが出来る謎の生命体のソフトボディ。独自のフィジクスによって表現可能となった スクエア型の細胞が集まる組織は、ワンタッチでこぼれ落ちた部分を削除したり、ある程度のサイズまで自動生成で成長したり、さらには切り離しや再付着を実 現。また Mesh Collider(3Dオブジェクトの形状に沿った衝突判定)を使用せず、生命体の組織を様々なサイズのカプセルで認識するという独自のデザインでiPadといった低パフォーマンスなモバイルデバイス上での動作を可能としています。
『Mushroom 11』は、2012年にニューヨーク大学にて開催された Global Game Jam にてゲーム開発者 Itay Keren 氏とその妻 Julia さんによって生み出されたタイトル。Karen 氏は過去にも『Rope Rescue』 なる物理アクションパズルを手がけており、こちらの作品は北米の App Store にてチャート TOP 10にランクインしました。Global Game Jam では30以上の作品から Best Game Design に輝いたほか、同年の IndieCade ではオフィシャルセレクションに選出。また『Braid』の Jonathan Blow 氏や『World of Goo』の 2D Boy らが在籍し、良質なインディーゲームを見い出して資金面などで援助する団体 Indie Fund からも支援されています。
2014に入ってからは Indipendent Games Festival にて Eccellence in Design にもノミネートされており、特に2Dパズルアクション系統が好きなインディーゲームファンからは今年注目を集める作品の1つとなりそうです。『Mushroom 11』は2014年にPCやiOSへ向けリリース予定。