二手に分かれて生き延びろ、魚群型フリー飛行アクションゲーム『Lumini』

星の数ほど生まれていくインディーゲーム達の中から、「おっ」と筆者が思わず唸った発売前の作品をピックアップしていく【Indie of the Week(IotW)】。各地で降雪が確認されるほど冷え込んだ1月第4週の第15回目は、どこかヒンヤリとした世界観を持つ美麗なアクションアドベンチャー『Lumini』をご紹介します。

星の数ほど生まれていくインディーゲーム達の中から、「おっ」と筆者が思わず唸った発売前の作品をピックアップしていく【Indie of the Week(IotW)】。各地で降雪が確認されるほど冷え込んだ1月第4週の第15回目は、どこかヒンヤリとした世界観を持つ美麗なアクションアドベンチャー『Lumini』をご紹介します。

Speelbaars というオランダの学生6人が所属するインディースタジオが第1弾タイトルとして手がける同作は、とある惑星に住む「Lumini」と呼ばれる生物が主役の飛行アドベンチャーゲーム。プレイヤーはこのトビウオのような「Lumini」を群れ単位で操作し、危険な外敵で溢れかえるスタート地点から彼らを安息の地へと導かなければなりません。

ゲーム中には大きな口を開いて襲い来る怪魚や、炸裂する危険な粒子を放つイソギンチャクのような生物が登場し、群れで行動する「Lumini」たち を無慈悲にも死に追いやります。全ての「Lumini」が死ぬとゲームオーバーとなりますが、「Lumini」は惑星の中に存在する小さな「クリスタル」 を集め、青白く光るキューブに捧げることで失った個体を増やすことが可能です。外敵を倒して惑星の頂点に立つのではなく、あくまでも「生き延びて種を繋ぐこと」が『Lumini』というゲームにおける目的となっています。

なお『ピクミン』のごとく惑星には様々な能力を持った「Lumini」が登場する予定で、現時点ではなんの能力も持たない個体と、アビリティボタンを押すことで高速移動が可能な個体の2種類が紹介されています。

 

1匹さえ残っていればクリスタルを集めてまた復活できる「Lumini」。とはいえ時には道を塞ぐ敵に立ち向かい、勇気を出して前へ進まなければなりません
1匹さえ残っていればクリスタルを集めてまた復活できる「Lumini」。とはいえ時には道を塞ぐ敵に立ち向かい、勇気を出して前へ進まなければなりません

 

『Lumini』ではプレイヤーが操作する群れを二手に別れさせることが可能で、キーボード操作では wasd と十字キー、また Xbox 360 コントローラーなどのジョイスティックでは両スティックで同時に2つの群れを操作します。2つのスティックで別々のキャラクター(群れ)を操作するゲームといえば、昨年8月に発売された『Brothers: A Tale of Two Sons』 を外せはしませんが、同作とは異なり『Lumini』の操作感は STG で2機を同時に操作しているような感覚に近いでしょう。『Lumini』ではこの2つの群れを同時操作するメカニックを使用し、片方の群れで怪魚を誘き寄 せて弱点の腹部を残りの群れが攻撃したり、片方が回転式の扉を抑えている間に残りが通り抜けたりといったパズルを解いていきます。

すでに公式サイトでは体験版が リリースされておりデモ用の簡易ステージをプレイ出来る『Lumini』。二手に別れた群れを同時に動かす操作スタイルはかなり複雑ながらも新鮮で、巨大 な怪魚と出会った際には彼らを生かそうと必死になることでしょう。その独特の浮遊アクションを楽しむためにも、筆者はコントローラーでのプレイをオススメ します。

青白く光る鉱石、冷たい岩肌、奇妙な生物たち、アンビエントなミュージック。美しくリラックスした世界観に、生存競争のリアリスティックな恐怖感をひとさじ入れた『Lumini』は、2015年 Q2 のリリースが予定されているとのことです。現在は Steam Greenlight に登録されており、Steam での配信も目指しています。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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