逃走もアリな『プリンス・オブ・ペルシャ』風対戦ソードアクション『Nidhogg』

次世代機が登場する激動の1年を終えた2014年1発目は『Nidhogg』をピックアップ。同作は1989年にリリースされた名作『プリンス・オブ・ペルシャ』から剣戟パートを抜き出したような対戦型2Dソードアクション。1月13日にも Steam でリリースされることが最新トレイラーで発表されたばかりのホットなタイトルです。

きっとどこかに居るマニアックなゲーマーへニッチなインディーゲームを毎週紹介していく連載企画【Indie of the Week (IotW)】。次世代機が登場する激動の1年を終えた2014年1発目は『Nidhogg』をピックアップ。同作は1989年にリリースされた名作『プリンス・オブ・ペルシャ』から剣戟パートを抜き出したような対戦型2Dソードアクション。1月13日にも Steam でリリースされることが最新トレイラーで発表されたばかりのホットなタイトルです。

対戦型 2D ソードアクション『Nidhogg』はひと目でわかる通りシンプルな対戦格闘ゲームで、プレイヤーは上下2段に別れた「刺突」や「剣投げ」、さらには相手 を後方に吹き飛ばす「飛び蹴り」や投げた剣を回収するといったアクションで相手プレイヤーと戦っていきます。剣を使用した攻撃はどれも文字通り一撃必殺で すが、プレイヤーの勝利条件が相手を倒すことではなく、最端のエリアへと到達することであるのが『Nidhogg』最大の特徴です。

詳細なルールを説明すると、敵方を1度倒したプレイヤーは次のエリアへと横スクロールアクションのように移動することが可能となり、これを続けて最 も端に配置されたエリアの最先端へと到達したプレイヤーが勝利となるのです。それゆえにプレイヤーは『プリンス・オブ・ペルシャ』の剣戟パートと同様に、 敵と戦闘するだけでなく逃走して次のエリアを目指すという戦略も取ることが可能となっています。ただし敵に倒されると”スクロール権”は相手側に移ってし まうため、がむしゃらにスクリーン端へと向かい続ければ勝利できるわけではないのがポイントです。

 

 

ジョーダン・メックナー氏の有名作『カラテカ』や『プリンス・オブ・ペルシャ』的な、ゴージャスなアニメーションでミニマルに描かれる独自のグラ フィックと世界観にも目を離せません。デザイナーの Mark Essen 氏とプロデュース業の Kristy Norindr 氏によるタッグスタジオ Messhof は、過去にも軽妙な 2D アニメーションで描くタイトルを多数リリースしてきたドイツのインディースタジオ。クラシックな香りがする対戦型マルチプレイヤーゲームが多いのも特徴で、この『Nidhogg』も Steam 版はオンライン対戦に対応しています。

2010年からインディー関連のアワードにノミネートされてきた『Nidhogg』は、2011年には革新的なタイトルに与えられる IGF の Nuovo アワード、また2013年には Indicade のゲームデザイン部門など重賞レースを勝ち取ったほか、格闘ゲームトーナメント Evo などにもプレイアブル出展されインディー界隈から注目を集めていました。期待のインディーゲームが多数登場する予定の2014年ですが、新年1発目にどれ をプレイするか迷っているゲーマーは同作をチョイスしてみてはいかがでしょうか。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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