「あなたはこの扉を選ぶ」、ドアのロジック問題が敷き詰められた一人称視点アドベンチャーゲーム『Doors』

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第115回目は『Doors』を紹介する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第115回目は『Doors』を紹介する。

『Doors』は、一人称視点のミニマルなロジックゲームだ。ゲームプレイは非常にシンプルで、プレイヤーは白い建物のなかを進み、時おり登場する複数のドアから1つを選ぶ。1つのドアは“ベーコン”に続き、そのほかのドアは”死”へと繋がっている。色分けされたドアにはそれぞれ看板が設置されており、壁に記されたルールに従って、プレイヤーはドアのメッセージが本当なのか嘘なのかを推理しなければならない。

“ベーコン”へ続く扉は1つだけです

iotw-115-doors-header たとえば赤と青のドアが目の前にあり、壁には「正しいことを言っているのは1つのドアだけです」というメッセージがある。赤いドアには「このドアはベーコンに続いています。ほかのドアは死に繋がっています」と記されている。青いドアには「1つのドアがベーコンに続いています。ほかのドアは死に繋がっています」と記されている。どちらが正しいことを言っているかわかるだろうか?青のメッセージが正しい場合、あるいは赤のメッセージが正しい場合で考えると、どちらの場合でも青の言っているメッセージは正しいことになる。そのため倫理的に赤のドアが嘘をついていることとなり、ベーコンへと続くドアは青が正解となる。

もちろんこの問題はゲーム序盤に登場する簡単な部類の問題であり、後半になればドアの数や標識などはさらに増え、問題は複雑化していく。

iotw-115-doors-001“ドアがテーマの一人称視点アドベンチャー”とのことで、昨年リリースされた怪作『The Stanley Probale』を思い起こす人も多いだろう。あるいは食べ物である“ベーコン”へと続く道を選び続けるという設定や、白く塗りつぶされた実験施設のような建物から、初代『Portal』の空気感を感じ取る人もいるかもしれない。

開発スタジオのMutantGopherいわく、本作はプレイヤーの心を揺さぶるような物語が待ち受けているとのことで、両作で見られたような奇妙で大胆な物語展開を期待してもいいかもしれない。

なお本作は2015年8月から10月にかけてPC向けにリリース予定。ゲームが注目を浴びればパズルエディターも付属される予定となっている。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

記事本文: 1728