音で見て音で戦え、目が見えない女性が主役のホラーアドベンチャーゲーム『Perception』

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第110回目は、『Perception』を紹介する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第110回目は、『Perception』を紹介する。本作は一人称視点のホラーアドベンチャーゲームであり、現在15万ドルの資金獲得を目指すKickstarterファンディングを実施中だ。主人公が全盲の女性である点や、豪華な開発メンバーなどが注目を集めたのか、すでに開始2日間で5万ドル弱の資金を集めている。

 

音で見る
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『Perception』の主人公である「Cassie(キャシー)」は、視覚が一切無い全盲の女性だ。視覚の代わりに類まれな聴覚を持ち、また機知に富んだ人物でもある。ここ数か月、彼女は「謎の屋敷」が登場する悪夢に毎晩悩まされていた。調査の結果、その屋敷はマサチューセッツ州グロスターにある廃墟と化した屋敷であることが判明する。代々この屋敷では、「恐ろしい未知の存在」が住民を襲っているという。キャシーは悪夢の中で習得した「Echo Bluff(反響音のブラフ)」を武器に、屋敷の謎を解きあかし、襲い来る敵に立ち向かわなければならない。

キャシーは視覚を持たないため、プレイヤーも彼女の目を通して屋敷の構造や敵の姿を見ることはできない。一方、彼女は「杖」を持っており、それを床に突いた音を反響させ、エコーソナーのように周囲の状況を把握することができる。目の代わりに耳で周囲の情報を得つつ、プレイヤーは屋敷の探索を進めてゆくわけだ。

ただし杖で床を突いた音は、「恐ろしい未知の存在」をもおびき寄せることになる。周囲の状況を把握するために床を叩くのか、それとも敵に気づかれないために暗闇の中を進むのか、プレイヤーは選択を迫られることになる。屋敷の中にはアラーム付き時計などさまざまな音の鳴るアイテムが存在し、逆にそれらを投げたり鳴らしたりすることで、敵の興味をひきつけることもできる。

痕跡から過去の屋敷へ
痕跡から過去の屋敷へ

またキャシーは屋敷を探索する中で、スマートフォンを使用して痕跡や証拠を発見していく。それらのヒントを集めることで、過去へ立ち戻ることが可能となり、さまざまな時代の屋敷をまた探索することができるのだという。

『Perception』の開発を担当するThe Deep End Gamesには、トリプルA級タイトルにも関わってきた業界のベテラン達が多数参加しているようだ。クリエイティブディレクターのBill Gardner氏は、『BioShock Infinite』において「Welcome to Rapture」や「Fort Frolic」のレベルデザイン開発に関わった。そのほかにも初代『BioShock』や『Dead Space』など、さなざななビッグタイトルの開発に参加したメンバーらが集結している。

『Perception』は2016年6月にリリース予定だ。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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