深海で待ち受ける”異形”の正体は、海底探索の恐怖を描く一人称視点サイコスリラーゲーム『Iron Fish』

第107回目は、『Iron Fish』 を紹介する。本作は一人称視点のサイコスリラーアドベンチャーゲームだ。ゲームWebサイトを運営しているクリエイティブ系ゲーム企業 「BeefJack」が開発を、Dean Edwards氏がリードデザイナーを担当する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第107回目は、『Iron Fish』 を紹介する。本作は一人称視点のサイコスリラーアドベンチャーゲームだ。ゲームWebサイトを運営しているクリエイティブ系ゲーム企業 「BeefJack」が開発を、Dean Edwards氏がリードデザイナーを担当する。元ソニーやセガなどの開発者らもプロジェクトに参加しているという。現在はSteam Greenlightにも掲載されており、掲載2日ほどで100件近いコメントが寄せられるなど、徐々に注目が集まりつつあるようだ。

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政府が用意した潜水艇で調査するシーンも

『Iron Fish』の舞台となるのは光も届かないほど深い”海底”だ。プレイヤーは英国海軍の精鋭グループに所属する深海調査員「Cerys(セリーズ)」とな り、政府が用意した最新装備を背負って、深海へと向かうことになる。人類がまだ5パーセントしか地球上の海を調査できていないとされる中、セリーズは海底 7マイル(約11キロメートル)よりもさらに深い危険な領域へと進んでゆく。

『Iron Fish』は海賊の悪霊が登場するようなホラーゲームでは無く、深海の化け物たちや水面下に沈んだ古代文明が登場するサイコスリラー作品となっている。プ レイヤーはフレアやソナーなどのツールを使用して調査し、時には攻撃的な生物たちから逃れ、海底におけるさまざまな謎を解明する。

ゲームエンジンはUnreal Engine 4を採用しており、トレイラーからは美しい深海のビジュアルと、異形のモンスターの姿が確認できる。映像を見る限りでは、スマートフォンを海中で使用したり、潜水艇で海底を進むようなゲームプレイも存在するようだ。

リードデザイナーを担当するDean Edwards氏は、90年代初頭から『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』や『マリオ』シリーズ、『クラッシュ・バンディクー』などをプレイして来たゲーマー だ。特に『ポケットモンスター』においては”水ポケモン”に異様な愛情を注いでいたらしく、これが『Iron Fish』の最初のインスピレーションになったと語っている。またホラー映画に触れる中で、「ゲームや映画をとても怖くするために流血やゴア表現ばかりに する必要はない」とも学んだとしており、本作にもそのデザインが採用されている。ほかにも『The Blue Planet』や、BBCが撮影した巨大イカのドキュメンタリーなどが、本作に影響を与えたそうだ。

『Iron Fish』は2015会計年度Q4のリリースを予定している。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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