発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第103回目は、『Umbra』を紹介する。本作はいわゆる"『Diablo』風"と呼ばれるタイプのハック&スラッシュ型アクションRPGだ。ゲームエンジンにはCryEngineを採用。制作を担当する新規インディーデベロッパーSolarFall Gamesには、CryEngineでの経験が豊富な開発者らが集っており、映像からはハイクオリティなビジュアルが確認できる。
『Umbra』の世界では、共和国「Human Republic」の没落により、各地で飢饉と伝染病が蔓延、さらには暴動が発生している。国側は卑劣にも毒を用いて人口抑制と統治を図っている。さらに共和国の指導者は、"人ならざる者"と契約を交わしたと噂れており、国内では人間から突然変異したとみられるモンスターたちが町や村を襲っている状況だ。もとは共和国のために働いていたプレイヤーは、魔法の力を持っていることにより、国から実験体にされようとしている。彼らの魔の手から逃れつつ、『Umbra』の世界に平和を取り戻さなければならない。
開発陣によれば、本作は『Diablo 3』のアクションスタイルに初代『Diablo』の雰囲気を取り込んでおり、さらには『The Elder Scrolls V: Skyrim』のような自由度の高い体験が楽しめるという。
『TES V: Skyrim』の観点から見ると、本作には4平方キロメートル以上のオープンワールドマップが搭載されている。自動生成されるダンジョンに加え、歩く巨人の背中で戦うような印象的なクエストが各地で発生する。また『Diablo』風アクションRPGとしては珍しく、キャラクターのビルドや育成がクラスに制限されていない。プレイヤーは好きなスキルを取得し、好きな武器や防具を装備することが可能だ。強いかどうかは別として、両手アックスを振り回しつつファイアボールを放つような、脳筋魔法キャラクターも育てることができる。
一方で本作には3種類のリソースが存在しており、これらの消費量を考えてキャラクターのビルドと戦闘スタイルを決定しなければならない。敵を攻撃するとたまる「Rage(レイジ)」は、近接攻撃時に消費する。回避やアサシンタイプのスキルで使用する「Stamina(スタミナ)」は、ダメージを受けないと自動回復のレートが上昇する。「Mana(マナ)」は魔法系のスキルにおいて必要となる。また、"敵を攻撃してRageを得ると、StaminaとManaが減少し、さらに自動回復のレートが低下する"、あるいは"Manaを使用するとRageが激減する"といった独自の仕様がある。
本作には独自の要素として、「Apocalyptic Form」と呼ばれるフィーチャーが存在する。これは高レベル時に獲得することができるスペシャルアビリティのような存在で、プレイヤーは自身を突然変異させて変身することができるのだ。羽の生えたデーモンから亡霊の姿まで、さまざまなフォームが存在するが、それを決定するのはプレイヤーの統計データである。プレイヤーが低レベル時に取ったさまざまなアクションは記録されており、これによって「Apocalyptic Form」後に変身する姿が決定される。
このほか細かく設定できる武器のカスタマイズシステムや、遠方からショップとのアイテム売買が可能になるペットシステム、自身の家屋を設計するハウスシステムなどが存在している。『Umbra』は現在Kickstarterにて22万5000ドルの獲得を目指すクラウドファンディングを実施中、またSteam Greenlightにも登録されている。