レイヤー横スクロール戦略ゲーム『Super Roman Conquest』

ついに連載回数2桁を突破した第10回目に取り上げるのは『Super Roman Conquest(SRC)』。本作は古代ローマの戦いをテーマにした2DドットグラフィックのRTSで、その名も「レイヤー式サイドスクロール戦略ゲーム」と銘打たれたタイトルとなっています。

筆者が「これだ!」と惚れた発売予定のインディーゲームを毎週1本好き勝手に紹介していく「Indie of the Week(IotW)」。ついに連載回数2桁を突破した第10回目に取り上げるのは『Super Roman Conquest(SRC)』。本作は古代ローマの戦いをテーマにした2DドットグラフィックのRTSで、その名も「レイヤー式サイドスクロール戦略ゲーム」と銘打たれたタイトルとなっています。

『Super Roman Conquest』は現地時間の今年11月23日にも Kickstarter におけるクラウドファンディングキャンペーンを成功させたタイトルで、1473名の Backer(支援者)から4万1909ドルの資金獲得に成功しました。現在は Steam Greenlight に登録され Steam での配信を目指している真っ最中。開発を担当するのは今年初頭にもライセンス業務へと移行しゲーム製作から身を引いた『Star Wars』公式ゲームスタジオ LucasArts にて数年間働いたという3名の元スタッフたちです。

Kickstarter の紹介ページにて LucasArts 在籍中は非『Star Wars』ゲームを作ることが難しかったと語る『SRC』開発チーム。『Star Wars: 1313』や『Star Wars: First Assault』といったプロジェクト開発中に、大帝国「ローマ」の雰囲気に感化さてていった3名は「我々はプレイヤーが戦略を立て、考え込み、軍団を運営し、そして圧倒的な戦力差にうろたえるような、オリジナルモノを常に作りたかった」と説明しており、その"開発欲"がこの『Super Roman Conquest』の下敷きとなったわけです。

 

数本の横レーンと移行ゾーン(Transition Zones)で構成されている『Super Roman Conquest』のマップ
数本の横レーンと移行ゾーン(Transition Zones)で構成されている『Super Roman Conquest』のマップ

数本の横レーンと移行ゾーン(Transition Zones)で構成されている『Super Roman Conquest』のマップ

 

『Super Roman Conquest』では、プレイヤーはローマ帝国兵の軍団をリアルタイムで指揮し、未開の地に住むバーバリアン達を撃破しつつ戦争での勝利を目指します。本作最大の特徴はマップ構造が「レイヤー横スクロール」となっている点。戦場にはサイドスクロールアクションのような横道1本のレーンが川の字に数本配置されており、プレイヤーが指揮する軍団はこの1本道を真っ直ぐ進むこととなります。

さらに兵士たちは数ヶ所に設置されている橋などの横道から奥や手前のレーンに移動がすることが可能で、このレイヤー(階層)の概念が横スクロール型の RTS に新たな戦略性を吹き込むことになると謳われています。確かに横道を占拠してレーン間の移動を確保するだけでなく、強行突破でレーンを移動しての裏取りや挟み撃ちといった戦略は容易に思い浮かべられるところです。またレイヤー式を採用することでグラフィック面でも奥ゆかしい遠近感が生まれており、トレイラーでは『Star Wars』のような"オペラ感"、2Dグラフィック版『God of War』とでもいうような壮大さを感じ取ることができます。

 

非ローマ市民で構成された支援部隊アウクシリアを基本に、弓矢で遠距離攻撃を行うアーチャーやローマ正規兵センチュリオンといった兵種が登場。リソースを消費して橋や脚立を作り出すエンジニアといった特殊兵も存在します
非ローマ市民で構成された支援部隊アウクシリアを基本に、弓矢で遠距離攻撃を行うアーチャーやローマ正規兵センチュリオンといった兵種が登場。リソースを消費して橋や脚立を作り出すエンジニアといった特殊兵も存在します

非ローマ市民で構成された支援部隊アウクシリアを基本に、弓矢で遠距離攻撃を行うアーチャーやローマ正規兵センチュリオンといった兵種が登場。リソースを消費して橋や脚立を作り出すエンジニアといった特殊兵も存在します

 

ゲームプレイは上記の戦闘マップでの戦争パートと、キャンペーンマップ上における軍団運営プレイに分かれており、後者では敵軍を睨みつつ作戦を練ったり、軍団の管理していくことになります。軍団運営は得た資金で兵を雇用したりアップグレードするのが基本となっており、現時点でシミュレーションゲームのような深みある要素は語られていませんが、「金を得るために奴隷を売るか?」といったインゲームイベントが用意されており、決断によって結果が変わってくるようです。

『Super Roman Conquest』は2014年夏にもリリース予定。Kickstarter でのクラウドファンディングキャンペーンは終了したものの、公式サイトでは PayPal によるゲームの予約販売が実施中。10ドルの通常予約に加え、ベータ版へのアクセス権を収録した15ドルの Tribune Level、アルファ版へのアクセス権を収録した30ドルの Magistrate Level が販売されているので、気になる方はチェックしてみましょう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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