『Hatashiai』緻密な剣術考証に基づいた一撃必殺の剣豪3Dアクションゲーム

『Hatashiai』は、より緻密な剣術考証をベースに構築されており、"日本っぽい"の枠には収まらない作品を目指している。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第98回目は、『Hatashiai』を紹介する。Maxi Stone氏がUnreal Engine 4を用いて開発中の『Hatashiai』は、剣豪同士の戦いをテーマにした3D格闘ゲームだ。『Kiai Resonace』や『Judo』など、日本のカルチャーをテーマにした格闘ゲームは近年意外にも多い。だが『Hatashiai』は、より緻密な剣術考証をベースに構築されており、”日本っぽい”の枠には収まらない作品を目指している。

 

 

Stone氏の所持している剣豪ゲーム攻略本
Stone氏の所持している剣豪ゲーム攻略本

開発者のStone氏は、「剣術」が剣の扱い方だけでなく、効果的な防御やしなやかな足運び、身体の動かし方を含む近接戦闘システムであると解説する。『Hatashiai』は、そんな「剣術」をリアルに再現する3D格闘ゲームだ。ゲーム中には最低でも8種類の実在する流派が登場し、それぞれが異なるスキルや技を有している。プレイヤーは各流派にて自身の剣技を磨き、歴史に名を残す剣豪を目指す。

『Hatashiai』は、防御ボタンを押して敵の攻撃を受ける、といった単純なガード&アタックゲームではないという。ゲーム中にはさまざまな「構え」が登場し、敵の攻撃を受け止めるのに最適な構えを繰り出さなければならない。剣と剣が接触した結果は、速度や姿勢に接触した位置など、フィジックス(物理)ベースにて算出される。

さらに『Hatashiai』は一撃必殺のゲームであり、ライフもヘルスバーも存在しないという。本作はライトウェイトの『ブシドーブレード』や元気の『剣豪』シリーズの影響を色濃く受けている。滑空蹴りオンリーの格闘ゲーム『DiveKick』のように、攻撃を繰り出して当たれば勝ちといった作品にはならないだろう。さまざまな構えから攻撃と捌きが交錯し、緊張感のある読み合いがある作品になることを期待したい。

 

まだプリアルファ段階だが、キャラクターの動きは作り込まれている(参考動画)
まだプリアルファ段階だが、キャラクターの動きは作り込まれている(参考動画

Steam GreenlightにてStone氏は、示現流兵法や振武館の黒田鉄山氏の書籍などを所持していることを明らかにしている。開発に参加している2人のプロデューサーは、長期間にわたるマーシャルアーツのトレーニングを受けており、多数の武器のレプリカも保持している。精確な剣術表現や歴史考証には自信があるようだ。

現在プリアルファ段階である『Hatashiai』は、1v1にフォーカスした純粋な対戦格闘ゲームとなる予定。槍や薙刀、さらには火縄銃などの武器の追加、オンラインマルチプレイヤー対応の攻城戦や野戦モードなどもアイディアとして披露されている。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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