あなたの家をお化け屋敷に変える、AR技術を利用した拡張現実サバイバルホラーゲーム『Night Terrors』

現実世界に映像や情報を投影する「拡張現実(オーグメンテッド・リアリティ、AR)」を採用しており、家の中に居ながら、お化け屋敷のようなホラー体験を味わうことができる。

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発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第97回目は、『Night Terrors』を紹介する。本作は家屋の中から少女を救い出すiPhone向けのサバイバルホラーゲームだ。現実世界に映像や情報を投影する「拡張現実(オーグメンテッド・リアリティ、AR)」を採用しており、自らの家の中に居ながら、お化け屋敷のようなホラー体験を味わうことができる。

プレイヤーはiPhoneに接続したヘッドフォンを装着し、ディスプレイを通して周囲を見ながら家の中を探索してゆく。亡霊たちの驚異から生き延び、家の中に居る少女を救い出せばクリアとなる。ゲームプレイ自体は単純だが、AR技術を採用しており、ゲームをプレイする舞台が自分の家やアパートなどの一室となるのが特徴だ。その場で作成された深度データと、プレイヤー位置の演算データが組み合わされるという仕組みで、公開されている映像ではプレイヤーが部屋の中を歩くことでマップが完成する様子が確認できる。

また『Night Terrors』は、ただ画面上に幽霊やモンスターが表示され、それをジャイロや振動センサーで避けるようなゲームではない。壁や天井、床を認識する環境マッピングシステムが搭載されており、廊下の暗闇の向こうや角から幽霊が飛び込んでくる。さらに画面上に表示されるエフェクトは、CGIではなく実際に収録したものを使用しているという。周囲の音とゲーム内のサウンドも統合されてヘッドフォンに出力される。没入感の高いリアリスティックなホラー体験が楽しめるようだ。

 

 

開発チームよれば、『Night Terros』は当初は8か月間で開発する作品であったものの、現在は24か月におよぶ大プロジェクトになったそうだ。本作は4種類の主要なアルゴリズムによって支えられており、現在は「INVERSE2」と「PRIMES」、「2.5 ARC」と「FLEXTEL」の名が紹介されている。それぞれがどのように機能しているのかは明らかにされていない。対応プラットフォームはiPhone 5以降のiOSを中心に、AndroidやWindows Phoneへの対応も目指している。

『Night Terrors』は3月にKickstarterで14万ドルの獲得を目指すクラウドファンディングを実施したものの失敗した。現在はIndiegogoにて7万ドルの獲得を目指すクラウドファンディングを実施中だ。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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