繰り返す1日からの脱出を目指す”ループもの”オープンワールドゲーム『Garbage Day』
発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第94回目は、『Garbage Day』を紹介する。本作はサンドボックス型の箱庭を舞台とした、一人称視点のオープンワールドゲームだ。『Frontiers』など、いまやインディーゲームでもオープンワールドはさして珍しくない存在だが、本作はさらにそこへ”ループもの”の概念を取り入れ、独自の試みに挑戦している。
『Garbage Day』の舞台となるのは、原子力発電所が存在する郊外の田舎町だ。プレイヤーの分身である主人公は、この発電所で発生した謎の事故に巻き込まれ、気づくと何度も1日を繰り返すタイムループの輪に囚われていた。たとえ死んでしまっても、ベッドの上で目覚め、また同じ1日がが始まる。プレイヤーは町中を何度も探索し、このループを打ち破らなければならない。
プレイヤーはゲーム内でさまざまなアイテムやオブジェクトに触れることができる。車に乗って移動したり、働いて金を手に入れたり、シャワーを浴びたり、VHSを見たり、Windows 98を操作したり、シリアルを食べたりすることもできるという。また隣人と会話することも可能で、その際には選択肢が登場する。
そういったインタラクティブな要素を詰め込んだアドベンチャースタイルの作品かと思いきや、『Garbage Day』は意外にもアクション面にもフォーカスされているタイトルだ。バットや日本刀、拳銃やサブマシンガンなどが登場し、町中の住民たちを殺してしまうことすらできる。破壊表現やゴアシステムにも力が入れられており、人体や家屋は攻撃するとバラバラに吹き飛ぶ。
シリアルを食べて平和に過ごすこともできるし、武器で人を殺害し警察と血みどろの戦いを繰り広げることもできてしまう。開発の解説を見る限り『Garbage Day』は、そういったオープンワールドゲーム特有の自由度の高さを活かした、推理アドベンチャーアクションゲームとなるようだ。その行動がどのような結果を巻き起こすのか、何をすればタイムループを打破できるのか、繰り返される1日のなかでプレイヤーは検証を続けてゆく。あるいは道徳や社会規範に従わず、思うがままに行動するのも良いかもしれない。なにが起きても、どうせ時はリセットされるのだから。
開発を担当しているインディーデベロッパーのSvajunas Zemaitis氏は、同じくタイムループを題材にしたビル・マーレイ主演の映画『恋はデジャ・ヴ(Groundhog Day)』に影響されていることを明かしている。『Garbage Day』のリリースは2015会計年度Q3を予定、現在はSteam Greenlightにも登録されている。