発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第88回目は、『RETSNOM』を紹介する。本作はピクセルアートで描かれた2Dパズルアクションゲームだ。プレイヤーがマップ構造を"ミラー"で変化させるメカニックや、とてもゾンビモノとは一括りにできない独特な世界観が魅力の作品となっている。
ゾンビウイルスに感染した娘を救う父の物語
プレイヤーの分身となるのは、ネクタイを付けたサラリーマンらしき男性主人公だ。彼には1人の娘が存在し、不幸にもゾンビウイルスに感染しているという。彼女を救うため、プレイヤーは自身が勤務している研究所に忍び込み、ゾンビ化を止める特効薬を盗み出すことになる。といっても特効薬は現段階では完成しておらず、主人公は未来にタイムトリップし、完成した薬を手に入れようとしている。
ゾンビウイルスが蔓延した世界では、研究所は迷宮の奥深くに位置している。プレイヤーは各ステージに隠された扉を見つけなければならない。扉のピースや鍵を集めるほか、娘に与える「うさぎの人形」がボーナスアイテムとしてステージ内に隠されており、スコアアタック要素も存在する。
このゲームの中心となるメカニックが「ミラー」だ。「ミラー」を使用すれば、プレイヤーは自身を中心に左右のオブジェクト、あるいは上下のオブジェクトを置きかえることが可能だ。またプレイヤー自身も鏡の世界の中に入り込むことができ、例えば上下があべこべになった世界に入り込むこともできる。
ここで掲載しているGIFアニメを解説しよう。鍵を取得する梯子が目の前にあるが、現在のままでは届かない。そこで、左側にある梯子付きの柱の位置を「ミラー」で反転させる。このほかにも足場を作り出したり、壁の向こう側へ移動する際などに、「ミラー」を使用することになる。
ゲームのコンセプトは、「プレイヤーが既存のマップを壊せる」だ。プレイヤーがマップを変化させることができるアクションタイトルは、すでに数多く存在するだろう。かつてIndie of the Weekで紹介した『Interference』もその1つだ。だが『RETSNOM』では、マップを正方形のブロックで構築しており、既存のタイトルよりもさらにプレイヤーが好き勝手に壊せる印象を受ける。
現在はWebブラウザ版をふくめデモが公開されており、パズルのデザインや難易度はなかなかに高品質だ。デモ版は9ステージのみの収録となるが、最終的には5ワールド60ステージが搭載される見込みとなっている。発売は2015年を予定。