『Little Devil Inside』シンプル3Dビジュアルで冒険を感じる、“非豪華主義”なアクションRPG

本作のデザインコンセプトは"非豪華主義"とも言えるもので、出来る限り最低限の3Dグラフィックでプレイヤーの心を打つよう描かれている。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第86回目は、『Little Devil Inside』を紹介する。次世代機の登場と共に、豪華なグラフィックで彩られた大規模なアクションRPGが多数登場しているが、本作はその流れにあえて逆らうことを目指したタイトルだ。デザインコンセプトは"非豪華主義"とも言えるもので、出来る限り最低限の3Dグラフィックでプレイヤーの心を打つよう描かれている。

 


シンプルな3Dビジュアルで冒険を感じる

 

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『Little Devil Inside』では、プレイヤーは1人の男性キャラクターとなり、開発者いわく"奇妙だが親近感の沸く世界"を探索してゆくという。クリーチャーやモンスターたちが登場するファンタジー寄りの世界観で、スクリーンショットでは砂漠を走る狼や、森の中にたたずむ巨大な竜の姿を見ることができる。船や電車に機関銃などの存在も確認でき、ある程度は技術革新が進んだ世界でもあるようだ。

本作のデザインコンセプトは、昨今の豪華絢爛なRPGの流れに逆らうものだ。「すさまじいテクスチャレベルで、まるで生きているようなハイポリのキャラクターとオブジェクトを開発するのでは無く、デザインの本質と美的感覚を意図して、繊細ながらも各プレイヤーに強い印象を与え、彼らをゲーム体験で満たす」。出来る限りミニマルに、ただしプレイヤーが心の中でイメージを描ける程度の3Dグラフィック、ビジュアルを目指している。

ミニマルと聞くとどこか違和感を感じるが、『Little Devil Inside』のアートセンスは見事なもので、3Dグラフィックも高品質だ。昨今の『Dragon Age: Inquisition』や『The Witcher 3』のような豪勢なグラフィックに対し、極力シンプルなビジュアルで人の心を打とうとするコンセプトは興味深い。

 

 

現時点で本作の世界観は詳細に語られていない。メインストーリーは存在するものの、重厚なプロットを追うというより、冒険を通してゲームプレイ体験や世界観を楽しむ作品となるようだ。プレイヤーはただ剣を持ち、自由に世界を冒険し、さまざまなクエストをこなしていく。そのなかで多種多様なキャラクターや物語に出会い、時には戦闘し、アイテムを売買したり入手したりする。そこに至るまでプレイヤーに読解を要求するような長大な世界背景やあらすじなどは、『Little Devil Inside』には存在しない。

『Little Devil Inside』の開発は、Neo Streamスタジオが担当している。発売時期や対応プラットフォームは現時点で未定だ。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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