白と黒の世界で”消える”、忍者マルチプレイヤー対戦ステルスアクションゲーム『Kieru』

 

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第85回目は、『Kieru』を紹介する。本作は白と黒のモノクログラフィックで表現された、一人称視点のマルチプレイヤー対戦アクションゲームだ。同様のグラフィック表現は、『Limbo』や『マッドワールド』などでも見られるが、本作はさらに白黒ビジュアルをゲームプレイ要素の1つとして絡めた興味深いタイトルとなっている。

 


白と黒で"消える"

 

白と黒、そして赤
白と黒、そして赤

『Kieru』は、2つのチームに分かれて対戦する、マルチプレイ対応のステルスアクションゲームだ。殺風景な白と黒のモノクロビジュアルで表現された世界が舞台となり、プレイヤーは白色の忍者チームと黒色の忍者チームに分かれて死闘を繰り広げる。複数のマップとゲームモードが存在する。

同様の一人称視点アクションゲームであれば、Blackpowder Gamesの『Betrayer』が存在するが、『Kieru』のモノクロビジュアルは、よりハイコントラストだ。そして最大の特徴として、それぞれのチームの忍者は"同じ色の中に隠れることができる"というシステムが存在する。黒色の忍者は黒色の中に、白色の忍者は白色の中に隠れることができる。マップの大部分がステルス可能なポイントであり、常に敵が隠れていないか、待ち伏せされていないかを意識する、緊張感のある戦いが楽しめる。

またこのほか、斬りつけた敵が出血する要素も存在している。攻撃によって流れる血だけは赤色で表現されており、これを追跡することで弱った敵を探しだすことができる。もちろん、流血を利用して、敵がおびき寄せを狙っている可能性も考慮しなければならない。

 

 

開発を手がけるのは、オーストラリアのメルボルンに位置するインディーデベロッパーPine Fire Studios。ゲームエンジンにはUnityを採用しているという。『Kieru』はWindows向けに2016年中旬リリース予定。現在はSteam Greenlightに登録されている。

 


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。