銃撃と爆破と筋肉、コマンドー部隊アクションシューター『Kick Ass Commandos』

本作は『Hotline Miami』や『はかいマン』のようなトップビューのシューティングアクションゲームであり、それらをより派手にしたものといったところだ。そこかしこで血肉が炸裂し、爆炎が立ちのぼる。とはいえ、過剰な破壊表現だけでなく、小隊式のパワーアップ仕様など、興味深いデザインも垣間見える作品である。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第76回目は、『Kick Ass Commandos』を紹介する。本作は『Hotline Miami』や『はかいマン』のようなトップビューのシューティングアクションゲームであり、それらをより派手にしたものといったところだ。そこかしこで血肉が炸裂し、爆炎が立ちのぼる。とはいえ、過剰な破壊表現だけでなく、小隊式のパワーアップ仕様など、興味深いデザインも垣間見える作品である。

 


過剰な破壊表現とコマンドー部隊アクション

 

乱れ飛ぶパイナップル
乱れ飛ぶパイナップル

どこか映画「The Expendables」や「コマンドー」的なにおいがする本作は、正義のコマンド部隊と"悪い奴ら"こと「Tiger Vision」が戦う破茶滅茶なアクションシューターである。プレイヤーはマシンガンや火炎放射器、ロケットランチャーやグレネードを手に取り、敵を倒しつつ味方のコマンドーたちを救出し仲間にしてゆく。恐らくプレイヤー側も設定を気にする必要などないのだろう。正義の軍人たちが悪の巣窟で大暴れするという、単純明快なストーリーだけが語られている。

『Kick Ass Commandos』の魅力の1つは、その豪快な破壊表現だ。開発を手がけるPlayAnarchyGamesが本作の特徴を「銃弾の嵐とグレネードの雨」や「爆発。とにかくデケえ爆発」と紹介するように、そこらかしこで銃弾とパイナップルと爆発が炸裂する。木箱から建築物までが粉砕され、敵は血肉と化して爆ぜる。トレイラーでは、破壊表現と爆炎で自機すら見えない瞬間がある。2D横スクロールアクションの『Broforce』を思い起こすような爆発度と破壊度で、作品自体の雰囲気もどことなく似ていると言えるだろう。

 

もう1つの特徴は、仲間を救出してコマンドー部隊に加入させる小隊ベースのパワーアップデザインだ。ゲーム中には、隊長に当たる「カーネル・ストーン」や、その勇敢さで敵を怯ませる「レックス・ライトニング」を筆頭に、かつて壊れた戦車によじ登り大砲を使用したという「モホーク軍曹」、火炎放射器を操る「フレイム兵長」に筋肉が自慢の「マッスル兵長」。「ニュービー大尉」や「デルタオプス」、名無しの兵士たちなど、個性豊かな味方たちが登場する。プレイヤーはマップ上で捕らえられている彼らを助けることで、味方の隊員としてともに戦うことができる。トレイラーを見る限り、かなりの人数を引き連れることが可能なようだが、彼らの耐久力は低そうだ。

ロケットランチャーを装備した砲兵からスナイパーなど、敵方にも個性豊かな面々が登場する。高所からミサイルを放ってくる「アイロンズ将軍」を始め、「レッドデビルズ」や「ファイアストライカーズ」といった特殊部隊。「ロケットブラザーズ」に「戦車」など、現時点で判明しているだけで、敵は全9種類が存在している。まず過激な破壊表現に目がいく本作だが、時には隊員の構成や敵の対処に戦略が求められる、知的なアクションゲームの側面もあるのかもしれない。

また、ライフ&シールド制のオールドクラシックなヘルス管理も、本作のトレイラーから確認できる。カバーポジションからこそこそ撃つのではなく、ヘルスを取得しながら敵の弾丸のなかを猛進するプレイスタイルは、『Kick Ass Comandos』にピッタリだ。

『Kick Ass Comandos』は2015年にリリース予定。現在はSteam Greenlightに登録されており、Steamでの配信を目指している。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

記事本文: 1728