小さくキュートでも中身は本格派 リアルタイム戦略ゲーム『Bitesize Wars』

RTSと言えば、歴史を題材にしたタイプや濃厚なSFテーマの作品が多いが、本作は非常にキュートなビジュアルが特徴のタイトルだ。外見は可愛らしくスケールもミニサイズだが、その一方で中身は本格的なRTSとなっており、そのギャップが魅力的な作品となっている。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第71回目は、リアルタイムストラテジー『Bitesize Wars』を紹介する。開発を手がけるのは、ウクライナのデベロッパーYellowAfterlife。RTSと言えば、歴史を題材にしたタイプ濃厚なSFテーマの作品が多いが、本作は非常にキュートなビジュアルが特徴のタイトルだ。外見は可愛らしくスケールもミニサイズだが、その一方で中身は本格的なRTSとなっており、そのギャップが魅力的な作品となっている。

 


小さくキュートだが中身は本格派

 

Workerや建築物などふくめ、生産ユニットは9種類が存在する。 資源をより早く掘るのか、兵力を早期に確保して攻め入るのか。 外見がキュートでも、プレイヤーにはシビアな判断が求められる。
Workerや建築物などふくめ、生産ユニットは9種類が存在する。
資源をより早く掘るのか、兵力を早期に確保して攻め入るのか。外見がキュートでも、プレイヤーにはシビアな判断が求められる。

『Bitesize Wars』は、オンラインマルチプレイヤー対応の対戦型リアルタイム戦略ゲームである。"Bitesize(一口サイズ)"とあるように、従来のRTSよりも小さなスケールであることが本作のテーマだ。一般的なRTSは広大なマップが存在し、1マッチは30分前後で終了するが、『Bitesize Wars』ではおよそ5分程度で勝敗が決する。現時点で公開されているスクリーンショットなどから確認できるマップサイズも、目と鼻の先に敵軍が位置するような構成であり、よくあるRTS作品と比較するとかなり小さい。

とはいえ、開発者のVadim氏によれば、『Bitsize Wars』における5分間の戦いは、従来のRTSの最後の10分間の戦いを集約したような内容になるという。プレイヤーはWorkerで資源を採掘し、各種ユニットの生産やアップグレードをおこなう。ゲームの最終的な目標は、敵ユニットを殲滅し、敵本拠地を占拠することだ。だがWorkerをどの程度生産するのか、戦闘ユニットはどれを重点的に強化するのか、どのタイミングで戦闘を仕掛けるのかなどは、常に状況を把握して決断しなければならない。可愛らしい見た目とサイズに反して、本作にはRTSの基本的なストラテジー要素がしっかりとあるのだ。またユニット操作に関しても、軍勢をグループごとに指揮する必要がある。従来のRTSにあるような"直感的な操作"が、『Bitsize Wars』でも求められる。

現在『Bitsize Wars』は2プレイヤーモードのオンライン対戦が機能するバージョンが完成しており、Steam Greenlightを通過すれば、2015年Q1にも早期アクセスにてリリースされる。将来的にはロビーやマッチメイキングおよびランクドマッチ、最大8人対戦が可能な巨大マップなどを追加、Steam WorkshopやMacおよびLinuxのサポートも予定されているという。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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