まだ誰も見たことがないような最前線のインディーゲームを紹介してゆくIndie of the Week。第68回目はInkStainsGamesが開発中の『12 is Better Than 6』を紹介する。2012年に発売されたDennaton Gamesの『Hotline Miami』から続き、香港ノワールをテーマにした『The Hong Kong Massacre』など、近年さまざまな題材を持ったトップダウンシューターがいくつか登場している。本作『12 is Better Than 6』は、西部劇をテーマにした作品だ。ペンで紙に書いたようなグラフィックや、早撃ちとリロードに重点を置いたメカニックが特徴となっている。
プレイヤースキルに依存する早撃ちの妙技
『12 is Better Than 6』は、ステルス要素も盛り込んだトップダウン視点のアクションシューターである。ゲームの舞台となるのは、無法地帯と化した1873年の北アメリカ。プレイヤーは、有罪判決を受けて西部の地に流れ着いたメキシコ人となり、荒野の悪党どもと血みどろの銃撃戦を繰り広げることになる。
このゲーム最大の特徴は銃の操作方法だろう。『12 is Better Than 6』に登場するリボルバーは、当時主流だった作動機構「シングルアクション」で統一されている。銃を撃つ度に撃鉄を引き起こす必要があり、ゲーム中にもそのメカニックが組み込まれているのだ。右クリックで銃を抜き放ち、さらに右クリックで撃鉄を起こし、左クリックで敵を撃つ。西部劇映画のような早撃ちを披露するには、プレイヤーも右手のマウス操作を素早く華麗に行う必要がある。
また銃撃だけでなく、リロードのメカニックも複雑化されている。Rボタンを長押しして弾倉を開き、さらにRボタンを押して弾薬を装填しなければならない。もちろんその間は、即座に銃撃へ移行することはできない。そもそも一度にプレイヤーが所持できる弾丸も10発足らずと、かなり制限されている。
『12 is better Than 6』は、弾丸1発で敵だけでなく自分も死んでしまうハードコアなアクションシューターだ。プレイヤーが操作を失敗し、空撃ちしたりリロードが間に合わなければ、即座に主人公のメキシコ人は悪党たちに撃ち殺されてしまう。マシンガンを装備し、じっとコーナーや障害物に隠れている暇などない。プレイヤーに求められるのは、どんな状況でも銃を華麗に捌き、敵を正確無比に撃つ技術と冷静さである。
銃のメカニック以外には、敵を回避したり背後からキルするステルスアクション要素も存在する。ゲーム内ではマップを自由に移動することが可能であり、プレイヤーは冷酷無慈悲な強盗にも、街の人々を守る英雄にもなれるそうだ。ゲームクリアまで6時間相当のストーリーが展開されると開発陣は伝えている。ペンに紙で書いたようなグラフィックも見逃せない点だろう。すで30分前後のゲームプレイを収録したデモ版が公開されているため、気になったのなら実際にプレイしてみるといい。
『12 is better Than 6』の発売時期は未定だが、開発資金が確保できれば2015年中にはリリースしたい考えだという。現在Indiegogoでクラウドファンディングを実施しており、開発資金4500ドルの獲得を目指している。