本物の”紙”と”光”で創られた アドベンチャーゲーム『Papetura』が正式発表

本作はポーランドのインディーデベロッパーPetumsによって開発されたゲームだ。ジャンル自体はシンプルなポイント&クリックアドベンチャーだが、ビジュアルがすべて"本物の紙"で作られている点が最大の特徴である。

最前線のクールなインディーゲームを紹介してゆくIndie of the Week。第66回では『Papetura』を紹介する。本作はポーランドのインディーデベロッパーPetumsによって開発されたゲームだ。ジャンル自体はシンプルなポイント&クリックアドベンチャーだが、ビジュアルがすべて"本物の紙"で作られている点が最大の特徴である。

 

 


紙で創られた世界

 

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プレイヤーは人型の紙「Pape」となり、友人である猫型の紙「Tura」とともに、紙の世界を旅してゆく。紙の世界では、さまざまなモンスターと危険が待ち受けている。プレイヤーはポイント&クリックでパズルを解いて、彼らを死なせないように進めてゆく。紙の世界に破滅をもたらす「火の鳥」の災厄を止めるのが、PapeとTuraの最終目標となる。

『Papetura』は、クレイアニメーションを活用したゲーム『クレイマン・クレイマン』や、独特のビジュアルと世界観を描いた『Machinarium』などにインスピレーションを受けた作品だ。『トトロ』や『風の谷のナウシカ』のスタジオジブリにも影響を受けたという。

とはいえ、本作のビジュアルはすべて"紙"で創られており、それらの作品にはない独自の雰囲気を放っている。『Papetura』では、水さえも1つの紙パーツで表現されている。そういったさまざまな紙パーツを合体させて、1つの空間やゲーム中のシーンを描いているのだ。さらにここに"光"をくわえることで、紙が持つ独特の質感と陰影を美しく描いている。製作の様子はメイキング映像で見ることができる。

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開発スタジオPetumsは2人組のスタジオで、小さな部屋で開発を続けているという。公開されている体験版を完成させるまでには、約4か月間もフルタイムで取り組み続けたそうだ。ほとんどは失敗に費やしており、いかに紙をアニメーションさせるか、Unityエンジン上で撮影した紙をコーディングするかなど、ビジュアル表現をとことん追求している。

『Papetura』は2016年Q3に、WindowsおよびMac版のリリースが計画されている。現在はIndiegogoにて1万3000ドルの資金獲得を目指しており、2万5000ドルが集まればiPad版とAndroid版、Linux版も開発される予定だ。またSteam Greenlightにも登録されている。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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