SF潜水艦ローグライク『Neptune, Have Mercy.』 海王星の衛星トリトンの深き海底を潜る


毎週最先端のインディーゲームを紹介してゆく週刊連載Indie of the Week。今週は『Neptune, Have Mercy.』を紹介する。同作は海王星の月であるトリトンの海底を舞台とした、SFと潜水艦にローグライクを掛けあわせたゲームだ。カナダの開発チームOctopodoが2014年6月に正式発表した作品で、来年2月にはKickstarterで開発資金の獲得に乗りだす。まだ数点のスクリーンショットやトレイラーしか公開されていないが、ミステリアスな海底体験はとても魅力的に見える。

 


ミステリアスな衛星「トリトン」の海底を探索

 

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ゲームの舞台となるのは、海王星の衛星「トリトン」だ。19世紀イギリスの天文学者ウィリアム・ラッセルによって発見された。海王星の衛星のなかでは桁外れの大きさを持ち、太陽系全体でも7番目のサイズを誇る。またマイナス200度以下の極寒の星でもあり、表面はメタンなどの氷に覆われている。なぜ公転方向が逆である逆行惑星になったのか、氷の表層部の地下に生命が存在しているのかなど、なにかと謎が多い。

また衛星「トリトン」は、ギリシャ神話にてポセイドンの息子として登場する海神から名付けられている。海王星の英名ネプチューンの元となっ たローマ神話のネプチューンは、ポセイドンと同一ではないかという説もある。この話がゲーム本編に関係があるかは不明だが、ともかくトリトンはミステリアスでロマンチックな星ということだ。

プレイヤーは潜水艦と数人のクルーを指揮し、トリトンの地下に広がる未知の海底世界を探索してゆく。探索と戦闘、ストラテジーにフォーカスしている。クルーの操作シーンはいくらかRTSに近く、潜水艦の操作シーンはアクションゲームになる。プレイセッションを通して新たなクルーを手にいれ、時には危険な深海生物に襲われ仲間を失う。海底で資源を採取し、ガジェットや新たな潜水艦をクラフトする。ローグライクの名の通り、全てを失う死亡やワールドの自動生成も搭載されている。『FTL: Faster Than Light』を思いだすが、トレイラーを見るかぎりではよりアクションが主体の作品となりそうだ。

危険な海底探索では、潜水艦に装着するガジェットと、それぞれ特殊な能力を持ったクルーたちの構成が重要となる。潜水艦に装着できるガジェットの数は限られている。海底生物を撃退するビーム兵器を装着するのか、資源を回収するロボットアームを取りつけるのか、あるいは資源の位置を探るソナーシステムを搭載するのか。またアームを完全に操作するには、機械操作の知識がある「科学クルー」を潜水艦に搭乗させなければならない。手元のリソースや人員とにらめっこしながら、目的にあわせて船体の構造を考えることが必要になる。

潜水艦をテーマにしているということで、酸素や水圧や燃料など、プレイヤーをいじめ抜く要素が登場することも予想できる。海底から表層部へ戻るための動力が足りず、回収した資源やパーツを捨てなければならない場面も出てくるかもしれない。リアルなシミュレーター寄りとなるのか、それともゲームらしさを重視するのか。来年2月のKickstarterにて明らかになるだろう。

 

 


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