現在開発中の最新インディーゲームをピックアップする週間連載Indie of the Week。今週は『Melee: Battlegrounds』を紹介する。同作は『Mount & Blade: Warband』のマルチプレイヤーMod「cRPG」を前身とした戦場シミュレーションゲームだ。プレイヤーは1人の兵士として、拠点や攻城兵器などが登場する大規模な戦場へ参戦し、他のプレイヤーたちと共闘する。
『Mount & Blade』の戦場シミュを抽出
Mod「cRPG」のベースとなった『Mount & Blade』は、トルコのデベロッパーTaleWorlds Entertainmentの作品だ。中世ヨーロッパのような架空の世界カルラディアを舞台に、プレイヤーは傭兵団の頭領や大国の騎士、あるいは一国の主となることを目指す。国内では『太閤立志伝』シリーズに近い。戦国の時代をプレイヤーの思うがままに生きることができる、高い自由度が特徴の作品である。
そんな戦国の時代における立志伝にくわえ、『Mount & Blade』の魅力となっているのが、1つのマップ上で多数の兵士が登場しぶつかりあう戦場シミュレーションだ。「cRPG」は同作の戦場シミュをマルチプレイヤー化するModであり、『Melee: Battlegrounds』はその「cRPG」のデザインを継承したスタンドアローンゲームである。
プレイヤーは1人のキャラクターを育成し、装備品をカスタマイズしてお気にいりの兵士を作成する。敵兵たちとの白兵戦がメインだが、戦略上重要な地点に築城したり、あるいは攻城兵器を使用して敵の拠点を破壊するモードも存在する。開発チームによれば、200人以上のプレイヤーが1つのサーバーに参加することが可能とのこと。中世騎士たちの白兵戦を描いた『Chivalry: Medieval Warfare』や『Wars of the Roses』よりも、さらに大人数の兵士たちがぶつかりあうことになる。
複雑な戦闘デザインは健在
『Mount & Blade』から続く戦略的な戦闘システムも健在だ。プレイヤーは、ほぼ360度すべての方向から武器を振ることが可能で、防御や回避などは3Dの接触判定や物理エンジンを活用し判定される。通常の攻撃以外にも、蹴りや素早い突き、シールドバッシュといった特殊な技も用意されている。動画を見るかぎりでは、『Mount & Blade』の戦闘デザインとほぼ変わらないとみてよさそうだ。自家製のゲームエンジンは広大な戦場を再現できるようかなり軽量化されており、ネットコードも最適化されているという。しかし、大量のプレイヤーが参戦する同作で、複雑な戦闘デザインが快適に実装できるかどうかについては不安が残る。
『Melee: Battlegorunds』は、Mod製作チームが手がける作品としてはかなり野心的だ。現在すでに17名のメンバーが参加しており、彼らの中心メンバーは2010年から「cRPG」の開発に着手している。現在進行中のKickstarterのクラウドファンディングでは、初期目標額は13万ドルに設定されている。2015年3月にはアルファ、同年11月にはベータテストを実施し、2016年3月にはリリースされる見込みだ。