E3 2014のインディー、2013年覇者のインディー

インディゲームの最新情報をピックアップしお届けする週間インディーニュース[Indie of the Week]。AUTOMATON始動から第2回目の連載となる2014年5月第5週(5月26日から6月1日)。現地時間6月10日から開催されるE3 2014の開催がせまるなか、IndiCadeがE3へ出展するショーケースラインナップを先週末に発表しました。

インディゲームの最新情報をピックアップしお届けする週間インディーニュース[Indie of the Week]。AUTOMATON始動から第2回目の連載となる2014年5月第5週(5月26日から6月1日)。現地時間6月10日から開催されるE3 2014の開催がせまるなか、IndiCadeがE3へ出展するショーケースラインナップを先週末に発表しました。

 

 

IndieCadeは海外で「ビデオゲームのサンダンス映画祭」ともよばれる、Independent Games Festivalと並ぶインディーゲームの巨大イベント。毎年10月にアワード受賞作を発表しとカンファレンスもひらくIndieCade Festivalのほか、各所にてショーケースという形で多数の魅力的なインディータイトルを定期的に展示しています。PCからコンソールにモバイル、さらにはアナログゲームとジャンルに縛りはありません。

今年のE3 2014 IdieCadeショウケースに登場するインディーゲームは34本。まず目玉となるのがオムニバス形式で帰ってくるバイオレンス2Dアクション続編『Hotline Miami 2: Wrong Number』。それに続くのが大手インディースタジオDouble Fineの内部チームが開発を進めるハッキングRPG『Hack N Slash』。ほかにも蛇を操作して空中を飛ぶPS4向け『Hohokum』や、ステルスマルチプレイヤーゲーム『Project Heera』など興味深い作品が並んでいます。リアルタイムのアクションを融合した『風来のシレン』といった趣向の『Nova-111』は、筆者が追っているインディーゲームの1つです。

 

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また現地時間5月24日のニュースとして、入国審査官ゲーム『Papers, Please』の開発者であるLucas Pope氏が新作『Return of the Obra Dinn』の構想をインディーゲームフォーラムTIGForumsにて開帳しました。同作は1802年に姿を消し、その6年後に無人船となって港に帰還してきた商船Obra Dinn号が舞台。プレイヤーは東インド会社の保険調査員となり、なぜObra Dinn号が姿を消し無人と化したのかを調査してゆくことになります。

現時点でクラシックMacゲームのような1bitグラフィックを採用する以外の詳細は明らかにされていませんが、Pope氏は過去作とは似ても似つかないようなタイトルになると伝えており、前作『Papers, Please』とも違った奥深いミステリーの作品となるようです。2014年に入ってからPope氏の最新作『Papers, Please』は「Game Developers Choice Awards」の革新部門とダウンロードゲーム部門、また「Indipendent Game Festival」の最優秀賞などを受賞しており、2013年のインディーゲームの顔と呼べるほどの賞賛をあびています。

 


騙し合いステルス、宝石強盗マルチプレイヤー

 

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タイトル: 『Diamond Heist
ジャンル: アクションマルチプレイヤー
開発: team Mazhlele
発売: 未定

前述したE3 2014のIndieCadeショウケースへ出展されることが発表された『Project Heera: Diamond Heist』は、ダイアモンド強盗をテーマにしたマルチプレイヤー専用のアクションゲーム。プレイヤーはラウンド毎にそれぞれダイアモンドをマップ外へ盗み出す強盗チームと、それを妨害し強盗プレイヤーを倒す警察チームにわかれて戦います。マッチ終了後によりダイアモンドを運びだしたチームの勝利となります。強盗側はスモークやデコイといった撹乱と逃走に特化したスキル、また警察側は敵を追跡し破壊できるガジェット類を所持しており、両チームの織りなすハイペースな戦略プレイが映像を見ているだけでも伝わってくる作品です。

 


童話風味の1人称視点『バイオニックコマンドー』

 

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タイトル: 『A Story About My Uncle
ジャンル: 1人称視点アクション
開発: Gone North Games
発売: Steam

『A Story About My Uncle』がSteamにて現地時間5月28日にリリースされました。開発はスウェーデンの学生ら9人で構成されているGone North Games、パブリッシングは『Sanctum』や『Goat Simulator』のCoffee Stain Studio。なかなか寝付けない娘に昔の話を語りだす父親が本作の主人公で、叔父を探しに不思議な世界へ迷い込んだ過去の物語がナレーションと共に伝えられてゆきます。ゲーム内ではチャージ式のスーパージャンプと、オブジェクトに、接着するとゴムのように縮むグラップリングを交互に使用し、空に浮かぶ小島や崖を次々と進みます。簡単にいえば1人称視点の『バイオニックコマンドー』あるいは「スパイダーマン」。空中を突き進んでいく爽快なプレイフィールは『Mirror's Edge』のようにスピーディーかつ爽快です。

 


飛んで避けて撃って気持ちいい2Dジェットアクション

 

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タイトル: 『Jet Force
ジャンル: 2D横スクロールアクション
開発: SinclairStrange
発売: Desura

現地時間5月29日にDesuraでリリースされたSinclairStrangeの『Jet Force』は、まず"NEStalgia(ファミコン懐古)"なグラフィックと演出が目に飛び込んでくる2D横スクロールタイプのアクションゲーム。アイテムを取得しての武器の切り替え、次々と襲い来る敵、不安定な足場は『ロックマン』や『魂斗羅』を思わせるデザインですが、一定回数だけ空中ジャンプが可能なジェットパックの浮遊感が本作の独自性をつなぎとめています。飛んで避けて撃っての感触が小気味よく、NEStalgiaの名に負けない操作感が魅力。現在Desuraで300円前後にて販売されているほかSteam Greenlightにも登録されており、通過した場合にはタイムアタックやボスラッシュモードなどが追加される予定です。

 


『Binding of Isaac』ライク。ロシアからSFを込めて

 

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タイトル: 『Betelgeuse
ジャンル: ローグライクアクション
開発: Winged Doom
発売: 今夏予定(via Twitter)

かつて濃厚なサイバーパンク色のドットビジュアルトレイラーで注目を集めた『Stealer』というタイトルが存在しましたが、残念ながら2012年に開発中止が宣言されました。しかし同作を手がけていたロシアのスタジオWinged Doomは新たな作品『Betelgeuse』を開発中です。初のゲームプレイトレイラーが先週公開された同作は『Binding of Isaac』によく似たアクションゲームで、部屋ごとに仕切られた自動生成のレベルから湧いてくる敵を殲滅し、獲得したゲーム内マネーで武器のアップグレードやアイテムを購入していく内容となっています。『Binding of Issac』との差別化などまだゲームの詳細は不明であるものの、次々と現れる敵を倒して部屋を血まみれにしていく光景をみると期待せずにはいられません。

 


今週はダークホースの『A Story About My Uncle』

 

オープンワールド型のサバイバルホラー『The Forest』や、2歳児が主役のホラーアドベンチャー『Among the Sleep』の2作品が国内外でインディーゲームとして注目を浴びつつ発売された一方で、少なくとも筆者の記憶の中で『A Story About My Uncle』がユーザーから関心を集めていた記憶はありません。が、『The Stanly Parable』や『Bastion』を思わせる良質なナレーションにて語られる物語は、ジュール・ヴェルヌの小説「地底旅行」を思わせるオールドクラシックな幻想SFワールドを展開しています。童話的できらびやかな同作の世界観は圧倒的で、しかもそれに負けない独特の飛翔感覚が味わえるゲームメカニックもぴったりとはまっています。『The Forest』か『Among the Sleep』か、あるいは他のタイトルを買おうか迷っているユーザーは、いっそひらきなおって本作をチェックしてみるのはいかがでしょうか。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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