『TerraTech』 「ロボクラフトサンドボックス」ゲーム、ゲーム進行はリアルタイム

未発売のインディーゲームや注目を浴びつつある作品を誰よりも先に取り上げてしまおうという週間連載[Indie of the Week]。気温も上昇しそろそろPCの稼働熱が気になりはじめた第31回目は、プレイアブルデモがリリースされたばかりのロボクラフトサンドボックス『TerraTech』をピックアップします。

未発売のインディーゲームや注目を浴びつつある作品を誰よりも先に取り上げてしまおうという週間連載[Indie of the Week]。気温も上昇しそろそろPCの稼働熱が気になりはじめた第31回目は、プレイアブルデモがリリースされたばかりのロボクラフトサンドボックス『TerraTech』をピックアップします。

イギリスのデベロッパーFreejamが開発している『Robocraft』やKeen Software Houseの『Space Engineers』 など、筆者が次に流行を迎えるジャンルの1つになるのではないかと期待しているのが「物理演算を使用したクラフトゲーム」です。これは物理演算が存在する ワールド上にて様々な効果を持った各種装置とブロックを組み込み、オリジナルのロボや乗り物および装置を作ってしまうというもの。プレイヤーの創造力と ゲームワールドの法則が許す限り、どんなマシンでも作れてしまうサンドボックス性が魅力となっています。

国内では1999年に SCE が発売した PS ゲーム『パネキット』 が類似作として挙げられるでしょう。同作の発売から10年が経過しオンライン環境が整った現在、この手の作品はは基本構造さえ完成すれば部品やモジュール およびエディターの改善を継続して提供することが可能となっており、最近なにかと流行りのアーリーアクセスとも相性がよいといえます。同ジャンルが芽生え る土壌はすでに用意されているというわけです。

 

 

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さて話を戻して、英国スタジオ West Londn Games が開発を担当する『TerraTech』は、このロボクラフトゲームに当てはまる惑星探索ゲームです。プレイヤーは宇宙惑星の採掘業者という設定で、現在 のプレイアブルデモでは実装されていませんが、太陽系外の惑星にて資源を採掘し地球へ送ることが目的となります。惑星には敵対企業の採掘マシンや攻撃マシ ンも登場し、彼らを倒した際に手に入るパーツや採掘した資源にて基地とマシンを強化していくのが基本的なゲーム進行です。

『TerraTech』にてユニークなのが採掘中であろうと戦闘中であろうとロボットのクラフトはリアルタイムで済まさなければならないという点で す。現時点で同作には取得したパーツのインベントリ収納や、メニューからマシン構築用の別画面への遷移といったシステムは存在しません。ダメージによって 剥がれ落ちたパーツは子供が散らかしたレゴブロックのようにワールド上に散乱するのです。プレイヤーはこの散らばったパーツを拾ったり、あるいは要らない パーツを剥がして投げたりしつつ、マシンを修理および強化していくことになります。

このデザインは現在デモにて提供されている Wave 型のサバイバルモードと非常に相性がよく、同モードでは次々と襲い来る敵マシンを倒しつつ、限られた時間でマシンの強化や修理を平行して行っていかなけれ ばなりません。デモに登場する敵マシンたちがそれほど強くない点は気になるものの、他のロボクラフトゲームには見られないチャレンジ性はなかなか新鮮で す。

ほかにも空を何メートル飛べるか、チェックポイントへとどれだけ早く移動できるかといったチャレンジモードも存在する『TerraTech』。わざ わざビルド画面に戻ったり、配置するパーツをメニュー画面から選ぶといった煩わしさがなく、その場で即座に挙動を確かめつつ試運転できるのが好感触です。 リアルタイムで転げ落ちるパーツからマシンを構築していく応答性のよさ、サンドボックスとしてのスピーディーさが本作の魅力といえるでしょう。

 

 

開発を担当する英国のスタジオ West London Games は、『Carmageddon 2』からキャリアをスタートし『Call of Duty: Zombies』や『Wipeout』など有名フランチャイズのスマートフォン作品を手がけてきた Russell Clarke 氏が設立しました。外部のコンセプトアーティストなどを合わせても、10人弱程度のチームで『TerraTech』は開発が進められています。

『TerraTech』は現在 IndieDB のゲームページにてプレイアブルデモが提供されており、第2弾の配信も予定されているとのこと。現在 IndieDB や Twitter を使用したロボクラフトコンテストが実施中。受賞者には早期で第2弾デモが提供されます。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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