『Axiom Verge』 名作2Dアクションインスパイア、“裏ワザ”要素アリ

開発中のタイトルやリリースされたばかりの無名インディーゲームから ishigenn がビビッときた作品を毎週ピックアップしていく[Indie of the Week]。第30回目となる今回はゴールデンエイジの2Dアクションソウルが真っ赤に燃える『Axiom Verge』をご紹介します。

開発中のタイトルやリリースされたばかりの無名インディーゲームから ishigenn がビビッときた作品を毎週ピックアップしていく[Indie of the Week]。第30回目となる今回はゴールデンエイジの2Dアクションソウルが真っ赤に燃える『Axiom Verge』をご紹介します。

先日にも北米で PS 4と PS Vita 向けのリリースが発表された『Axiom Verge』は、精巧なドットグラフィックと胸打つビットサウンドで描かれる横スクロール式の2 D アクションゲームです。主人公となるのは事故により死んでしまったはずが、気がつくと異世界に迷いこんでいた落ちこぼれ科学者 Trace 。ここはどこなのか?どうしてこんなところに辿り着いたのか?そしてなぜ現実世界の"基本原則"が壊れてしまっているのか?プレイヤーは Trace を操作してこの奇妙な世界のミステリーを解き明かしていくことになります。

スピードラン用の機能やインターフェイスを追加する「スピードランモード」も搭載されている『Axiom Verge』

 

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ひと目見ればわかるように16 bit や8 bit 時代クラシックタイトルからの色濃い影響が伺える同作。開発者の Thomas Happ 氏も『アルゴスの戦士』や『魂斗羅』、『バイオニックコマンドー』から『超惑星戦記メタファイト』、そしてもちろん本作のベースとなったであろう『メトロイド』といった名作タイトルの名を挙げています。インディーゲームではさしてめずらしくない古典2 D アクション崇拝ジャンルとなる『Axiom Verge』ですが、映像から伝わってくるジャンプアクションとシューティング(斜め上射撃を含む)の心地よさそうな感触、毒気のある SF テーマグラフィック、大迫力のボス戦闘シーンはどれも見逃せません。

ゲームは9つのエリアから構成されるステージを探索していくというメトロヴァニアスタイルで進行し、道中にはそれぞれ独自の能力を持った大量のツールやアビリティ、武器とヘルス/パワー/特性を強化する60種類以上のアップグレードが登場します。

また本作最大の特徴として挙げられているのが前述した"壊れた基本原則"にも関係してくるメカニック「Glitches(システムの欠陥を悪用した裏ワザ)」。トレイラーでは、ブロック状の足場を破壊したり、空中にオブジェクトを出現させたり、壁を通り抜けるといったアクションが印象的です。「この世。あの世。現実。仮想。夢。悪夢。境界線はきわどい」と仮想世界を示唆する意味深なメッセージが公式サイトに記載されている『Axiom Verge』。「Glitches」は裏ワザ的なゲームのメカニックというだけでなく、物語の謎を解くキーとしての役割も持っていそうです。

『Axiom Verge』はプログラミングやサウンドを含め Tomas Happ 氏ただ1人により開発が続けられている作品。同氏は Petroglyph Games にて『End of Nations』や『Tiger Woods PGA Tour』などを手がけるかたわら、仕事外の時間を同作の開発に当ててきたと伝えています。今回 PSN での独占タイトル開発を条件に開発費を支援してもらう Pub Fund 契約をソニーと結んだ結果、フルタイムで『Axiom Verge』の開発に取り組むことが可能となったようです。『Axiom Verge』は2015年初頭にリリース予定となっています。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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