カルト的人気持つプロレス団体CHIKARAの公式ゲーム『CHIKARA: Action Arcade Wrestling』クラウドファンディング実施中


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第312回目は『CHIKARA: Action Arcade Wrestling』を紹介する。

アメリカのプロレス団体CHIKARAが、公式プロレスゲーム『CHIKARA: Action Arcade Wrestling』(以下、『CAAW』)の開発資金を募るためIndiegogoにてクラウドファンディングを実施中だ。昨年にはSteam Greenlightに登録しており、すでに通過している。CHIKARAは14年以上の歴史があるプロレス団体で、ペンシルベニア州フィラデルフィアに拠点を置き、ルチャリブレスタイルのプロレスを特徴にしてカルト的な人気を得ている。

本作の開発を手がけるのはインディースタジオAction937のDave Horn氏とVICO Game StudioのEugene Tchoukhrov氏だ。両者はXbox 360のインディーゲームプラットフォームXbox LIVE Indie Games向けに『Action Arcade Wrestling』と『Action Arcade Wrestling 2』を共同開発・発売しており、『CAAW』は元々『Action Arcade Wrestling 3』として開発が始められていたものが転じてシリーズ最新作になった。

『CAAW』は、『WWF WrestleFest』や『マッスルボマー』といった16ビット時代のアーケードゲームを参考にしつつ、ビジュアルはUnreal Engine 4を使用したトゥーンレンダリングで表現されている。CHIKARA所属レスラーがキャラクターとして登場するが、プロレスシミュレーターではなく気軽に遊べるアーケードスタイルのゲームであることと、Mod対応やキャラクターエディットへの対応の容易さからトゥーンレンダリングを採用したという。そのキャラクターエディットには「Wrestle Factory Creation Suite」というPC用ソフトを無料提供予定で、テクスチャのインポートや体形変更、使用技の設定、さらには髪型や衣装のカスタマイズなどに対応する。

ゲームモード/試合形式は個人、タッグ戦ともにCHIKARAが実際に採用している形式が多数用意され、ゲーム発売後には無料アップデートでさらに追加していく予定だという。CHIKARAの興行を再現する一方で、波動拳やフォース・ライトニングっぽい技もあり、ファンタジー要素を盛り込んでいる。レスラーが繰り出す技の滑らかなアニメーションは、モーションキャプチャーではなくすべて手付けでおこなわれているそうだ。

『CAAW』のIndiegogoでのクラウドファンディングは、開始から一か月ほどが経過した現在で目標額のおよそ40パーセントに達している。期間はまだ残り一か月ありちょうど折り返し地点だが、なにかしらアクションを起こしてもう一押し二押ししないと目標額達成は微妙な気配だ。しかし本作はフレキシブル・ファンディングに設定されているため、目標額に届かなかったとしても集まっただけのお金を手にすることができ、開発を続行することになる。

『CAAW』はPC(Steam)とコンソール向けに開発中で、その発売時期はIndiegogoの結果次第だとしている。Horn氏とTchoukhrov氏は現在パートタイムで開発にのぞんでおり、得られる資金は本作の技術面を手がけるTchoukhrov氏にフルタイムで取り組んでもらうために主に使われる予定だからだそうだ。

開発途中の映像ではあるが、グラフィック的にはとりたてて素晴らしいわけではないものの、レスラーの技やアクションのアニメーションはその特徴をよくとらえているように見える。これは『Action Arcade Wrestling』シリーズがリリースを重ねるたびに強化されており、また開発者二人のプロレスへのこだわりがあるためだろう。プロレスゲームファンの方は一度Indiegogoのページをチェックしてみてはいかがだろうか。

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