プレイヤーの「こだま」を利用して迷路から脱出せよ。一人称視点パズルゲーム『Echoplex』Steam Greenlightに登場

 

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第320回目は『Echoplex』を紹介する。

南アフリカのインディースタジオOutput Gamesが、一人称視点パズルゲーム『Echoplex』をSteam Greenlightに登録してSteamでの販売を目指している。本作はその名の通り「Echo(エコー・こだま)」をテーマにしたパズルゲームで、プレイヤーは制限時間内に「Echoplex」という名の迷路からの脱出を試みる。

プレイヤーは全面が一色に塗られたミニマルな雰囲気の迷路を進み、黒色と黄色のストライプで縁取られた出口を目指す。出口までには別の色のエリアにつながる扉をいくつか通る必要があるが、扉は最初から開いているものもあれば閉じていて通れないものもある。迷路の中には薄い光のベールのようなものがかかったゲートが存在しており、これが閉じている扉を開くスイッチになっているので、このゲートを通れば先へ進むことができる。そして出口にたどり着くことができればステージクリア、というのが本作の基本的な流れだ。

このゲートを通って扉を開けるという仕組みが本作をパズルゲームたらしめている。ゲートのスイッチは扉を開くだけではなく、開いている扉を閉じるようにもなっている。次のエリアへの扉が開いていたとしても、その扉に向かうにはゲートを通らざるをえない状況ではどうすればいいだろうか。そこで本作のテーマである「エコー」の登場だ。

「エコー」は性別不明のフラットな存在にデザインされたそうだが、その不気味な見た目は怖さすら感じる
「エコー」は性別不明のフラットな存在にデザインされたそうだが、その不気味な見た目は怖さすら感じる

プレイヤーの行動はすべて記録されており、数秒遅れてそれが「エコー」として再生される。プレイヤーの分身が動きを真似ながら後ろからついてくるイメージだ。そこで上記のような場面でプレイヤー自身がゲートを通って扉を閉めて待っていると、「エコー」がやってきて同じようにゲートを通る。すると扉がふたたび開いて次のエリアへ進むことができるというわけだ。

このように迷路を進むためには「エコー」の助けが不可欠だが、「エコー」はプレイヤーの味方ではない。プレイヤーが「エコー」に“追いつかれて”しまうとゲームオーバーになってしまうからだ。どのようなルートをどのようなタイミングで歩けば、あるいは走ればいいのかという戦略が必要なゲームだが、悠長に考えていられる時間はない。本作はシングルプレイゲームだが、自らの分身である「エコー」との対戦ゲームという一面も持ち合わせているのだ。

プレイヤーの動きを真似る分身を使ってパズルを解くゲームはこれまでにもあったが、本作ではその分身に追われる緊張感を取り入れたところがユニークだ。「エコー」の見た目が不気味なことも、その緊張感を高めることに一役買っているように思う。(むしろ恐怖感といえるかもしれない)。現時点では扉を開閉するゲートだけだが、ほかにも「エコー」を利用したパズルは登場するのだろうか。プレイヤーが何かしらアクションを取ることができるようになれば、パズルのアイデアの幅は広がるように思うが、本作が今後どのように発展していくのか気になるところだ。

『Echoplex』はSteamでの早期アクセスゲームとして、Windows/Mac/Linux向けに2017年第1四半期の発売を目指して開発中。Steam Greenlightページ公式サイトでは各プラットフォーム向けの体験版が配布されているので、興味を持った方は一度プレイしてみてはいかがだろうか。