キツネ、大自然を行く。美しく豊かな自然描写が素晴らしい『The First Tree』開発中

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第317回目は『The First Tree』を紹介する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第317回目は『The First Tree』を紹介する。

『The First Tree』は、三人称視点の探索アドベンチャーゲームだ。本作では家族とはぐれてしまった雌のキツネと、なんらかの不運に見舞われた若いカップルのストーリーが並行して描かれる。トレイラーでは若いカップルの2人が(夢の中で見たと思われる)キツネの話をしており、男性は最後に「彼女(キツネ)は何かを見つけたんだ、たぶんそれは僕も見つけなければならない」と意味深につぶやく。

『The First Tree』は今年7月にティーザートレイラーが公開され、その美しいビジュアルと謎の多い物語から注目を浴びた。まず驚かされるのが、その圧倒的な自然描写だろう。さまざまなな動物たちが躍動感一杯に動く春の草原から、一面どこまでも白銀が広がる雪景色まで、四季折々の世界が情緒豊かに描かれている。開発者のDavid Wehle氏は短編のアドベンチャーゲーム『Home is Where One Starts…』でも夕日に染まるさびれた故郷を見事に描きだしたが、本作のビジュアルはそれ以上に美しい。

ゲームプレイ自体に目を向けると、本作は3人称視点の探索ゲームになることが明らかにされている。プレイヤーはキツネを操作し、自然のなかを進むことで生命の起源と死について知ることになるという。また、ゲーム中にはアーティファクトが隠されており、これらを見つけることも目的の1つとなるようだ。ゲームが進むに連れ、もう1つのストーリーである若いカップルの話も徐々に紐解かれてゆく。

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なお本作は『Home is Where One Starts…』と同様に1時間半ほどで終了する短編ゲームとなる予定で、価格も5ドル以上にはならないとWehle氏は伝えている。発売時期は2017年の中頃までを目指しており、現在はSteam GreenlightにてSteamでの配信を目指している。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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