【UPDATE】狼が大自然をかけめぐる『Lost Ember』が美しい。さまざまな動物に変身し滅んだ文明の謎を追う大自然アドベンチャー

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第303回目は『Lost Embe』を紹介する。

【UPDATE 2 2016/11/4 19:25】 さまざまな動物に変身できるアクションゲーム『Lost Ember』の公式サイトでは、アンケートからゲーム内に登場させたい動物たちを投票することからできる。11月4日17時の時点では「猫」がトップを独走している。本作はのちにVRにも対応予定だ。

【UPDATE1 2016/10/17 12:15】 『Lost Ember』のKickstarterキャンペーンが軽々と初期ゴールの10万ドルを突破した。残り日数は28日となっており、このペースならかなりの資金を集めることができそうだ。

【原文 2016/10/13 15:51】 発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第303回目は『Lost Ember』を紹介する。

Lost Ember』は3Dアドベンチャーゲームだ。舞台となるのは文明なき世界。プレイヤーとなる狼は、ふとしたことをきっかけに精霊に導かれ、数千年前に滅んだとされる「Inrashi」文化の断片を発見する。Inrashi文化にどこか懐かしさを感じた狼は、古の時代に何が起こったのかを知るために旅へ出る。さまざまな動物の力を借りながら、相棒となる精霊とともに文明崩壊のカギを握る街「Machu Kila」を目指す。

『Lost Ember』で重要になるのは多くの動物との出会いだ。主人公の狼は一度出会った動物の力を借りてその動物に変身できるようになる。その種類はオウムからモグラ、タカ、カピバラ、ヤギ、牛まで幅広い。たとえば、足場のない断崖絶壁ではタカになり飛ぶことで対岸まで辿りつくことができる。行き止まりに突き当たった時にはモグラとなって地中へと潜る。流れの激しい川を進む際には魚となり遊泳し先へ進む。このように、さまざまな動物へと変身しながら立ちはだかる困難を乗り越えていく。動物の生態系も幅広く、どんな場所でも見かける生物もいれば、特定の環境にしか棲まないものも多い。力を借りるためにはまず出会う必要があり、広大なフィールドで動物を探すことも重要になるだろう。

大自然を彩るグラフィックも本作の注目すべきポイントだ。ゲームエンジンにはUnreal Engine 4が採用。人の手が入っていない汚れなき世界が描かれている。動物へ変身する演出も大きな見どころで、シームレスに姿を変えるシーンは鮮やか。森林のような入り組んだ場所や、高低差のある渓谷、ひらけた草原などが用意されており、さまざまなロケーションが楽しめそうだ。

『Lost Ember』は今月12日にKickstarterでクラウドファンディングを開始し、瞬く間にゴールの半額である5万ドルに到達している。Kotakuを中心とした欧米のゲームメディアが注目し、すでに数々のインディーアワードを受賞している。

開発を手がけるのはドイツのハンブルクに拠点を構えるMooneyes Studio。メンバーは5人在籍しており、もともと大学時代に一緒にゲーム開発をおこなっていた仲良しチームだ。卒業後、一度就職し大企業にはいるが、そういった場所ではクリエイティブな制作はできないと感じそれぞれが退社、そうして今回のプロジェクトが始まったという。探索を盛り上げるBGMは、なんとRockstar Northでサウンドチームの中心スタッフだったCraig Connor氏とWill Morton氏。『Grand Theft Auto』シリーズや『Read Dead Redemption』を手がけた大御所だ。トレイラーの音楽からもそのキャリアの片鱗を感じ取ることができ、より大自然を体感できるBGMが楽しめるのではないだろうか。

対応プラットフォームはPCのほかにPlayStation 4/Xbox Oneが予定されている。また、VRにも後日対応するようで、HTC ViveとOculus Rift向けにVR版がリリースされるようだ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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