ビルを叩き壊し、おしっこで戦闘ヘリを突き落とせ。爽快2D怪獣アクション『Bedfellows FRENZY』

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第301回目は海外Webコミック/アニメ原作の2D怪獣アクション『Bedfellows FRENZY』を紹介する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第301回目は海外Webコミック/アニメ原作の2D怪獣アクション『Bedfellows FRENZY』を紹介する。

https://youtu.be/twX5-g4GkLw

『Bedfellows FRENZY』は、モンスター化した動物キャラクターとなってビルを破壊し、止めにかかる軍隊をなぎ倒すことでハイスコアを稼ぐアーケード形式のゲームだ。建物に登って壊すだけでなく、夜景を眺めながらビルの頂上からおしっこを撒き散らしたりと、アナーキーな作風。壊したビルの中からアップグレードアイテムを手に入れ、凶暴化の一途をたどりながら、より大きな街、より手ごわいボスを相手にしていく。

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ゲーム画像だけで気づいた方もいるかもしれないが、本作は海外アーケードゲームの名作『Rampage』シリーズのオマージュとなっている。『Rampage』はアーケード向けに1986年発売された2Dアクション。怪獣のようなモンスターに突然変異した人間となって街を破壊する。戦車や戦闘ヘリを腕力でねじ伏せていく点も『Bedfellows FRENZY』と同じ。巨大なビルが次々と崩れ堕ちていく爽快感のある作品だが、ステージが進むにつれ軍隊からの反撃が強くなり、楽にはクリアさせてくれない。次から次へと小銭が筒体の中へと消えていくアーケードらしい難易度設定だ。根強い人気によりシリーズ化されているほか、2015年にはドウェイン・ジョンソン(WWEプロレスラーの“ザ・ロック”)主演で映画化することが発表されている。

1997年にアーケードゲームとして発売された『Rampage World Tour』。筆者もかなり遊び込んだ記憶がある
1997年にアーケードゲームとして発売された『Rampage World Tour』。筆者もかなり遊び込んだ記憶がある

開発者のKris Patrick氏自身も『Rampage』のファンであるが、80年代から90年代にかけて展開されたシリーズだけあって、現代の基準で考えると操作がもっさりしているし、ゲームプレイのバリエーションも少ない。Patrick氏いわく『Bedfellows FRENZY』は「自分が欲しかった『Rampage』を生み出す試み」であり、「『Rampage』よりもペースが速く、パワーアップアイテムはより強力で、複数同時に保有することができる」とのこと。また、ひたすら破壊の限りをつくす『Rampage』と異なり、ちょっとしたストーリーも用意されているようだ。

ちなみに本作はWebコミックおよびYouTubeのショートアニメ「The Bedfellows」が原作となっている。ゲームのようなモンスターアクションではなく、擬人化された動物たちによる下ネタコメディだ。ツッコミ役がおらず、投げっぱなしかつ直球勝負の下ネタなので、職場で閲覧したり家族と共に楽しむ作品ではないだろう。主要キャラクターは犬と猫のハイブリッドであるSheenと、ジャッカロープという未確認動物のFatigue。ゲームで操作するのもこの2人だ。両方ともオスだが同棲しており、夜の営みもある。Sheenは作中で女性キャラとデートすることもありバイセクシャルなのだが、Fatigueのことも「女性」と呼んでいるあたり、ジェンダーについて少し考えさせられる。

コミック/アニメが原作というだけあって、当初はストーリー重視のポイント&クリックアドベンチャーを予定していたが、予算の関係で断念している。とはいえ、原作の作者みずからが開発を手がけているため、原作どおりのユーモアが期待できそうだ。本稿執筆時点ではSteam Greenlightプログラムに登録中で、リリース時点ではシングルプレイモードのみとなるが、リリース後のアップデートでマルチプレイの実装を検討しているとのこと。対象プラットフォームはPC(Steam)。販売時期は2017年初旬を予定している。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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