人間と動物が共存する砂漠のオアシス。遺跡やダンジョンを巡るポイント&クリックADV『NAIRI』登場

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第297回目はポイント&クリックアドベンチャー『NAIRI』を紹介する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第297回目はポイント&クリックアドベンチャー『NAIRI』を紹介する。

本作の特徴はなんといってもその可愛らしいアートワーク。担当した日本人ビジュアルアーティストのお気に入りが『どうぶつの森』や『二ノ国』ということもあってか、チャーミングな2頭身のキャラクターたちが出迎えてくれる。また、本作の開発にあたっては『千と千尋の神隠し』にインスピレーションを受けたということで、明るいビジュアルと並列して暗いテーマを扱っており、子供から大人まで楽しめる作風を目指している。

物語の舞台となるのは「Shirin」という砂漠のオアシス。バザーや銭湯で賑わう中東風の街だ。水源の周りに建てられた上流階級地区から、暴漢や反社会勢力が生息するスラム街まで、街は階級によって区間分けされている。スラム街のど真ん中には、王が直々に建設命令を出したという謎の塔が建てられており、本作の物語と関わってくる。また、オアシス街の発展を可能にしている「不自然なほど豊かな帯水層」の存在も重要になってきそうだ。

本作の主人公は、裕福な家庭で育ったものの、とある事件をきっかけにスラム街へ流れ着いた少女「NAIRI」。皮肉屋な彼女は、元アウトローの学者ネズミ「REX」と出会い、オアシスに隠された歴史と謎を追っていく。2人のほかにも、お風呂と甘いものが大好物なタヌキの王様や、王の助言係なのに短気なカメなど、人間と動物が共存する世界が描かれる。

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ゲームプレイはポイント&クリックアドベンチャーらしく、街の人々やオブジェクトにクリックすることで会話やイベントが発生する。道中で手に入るアイテムとプレイヤーの知恵を使い、人々の悩みや争いごとを解決していく。指定されたアイテムを渡すだけの簡単なものから、わらしべ長者のようにアイテムを交換したり、複数のアイテムを組み合わせるものまで。クエストの中にはプレイヤーの選択によって結果が変わるものも含まれている。また「Shirin」の街には地下室やダンジョンが多く隠されており、街内よりも難易度の高いパズルが待ち受けている。

物語が進行するにつれパズルの難易度は跳ね上がるが、アドベンチャーゲームの上級者であれば、環境を注意深く観察することで解けるレベルとのこと。初心者向けには、ヒントを多めに表示する設定が用意される予定だ。チャレンジングな内容とはいえ、ポイント&クリックアドベンチャーにありがちな「無駄に入り組んだ説明」「まともにプレイしていたら見つからないアイテム」「何度も同じ場所を行き来する」「論理を無視したパズル」といった要素は含まないとのこと。

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『NAIRI』はオランダのインディデベロッパーHomeBearStudioによる開発者2人の小さなプロジェクトだ。Kickstarterで実施しているクラウドファンディングでも、目標資金額は7,500ユーロ(約86万円)と控えめ。出資金額に応じたストレッチゴールとして、キャラクターコスチューム、コメンタリーモード、ローカライズ言語の追加などを予定。また、Steam Greenlightプログラムにも登録済みだ。対象プラットフォームはPC。リリースは2017年3月を目標としている。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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