発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第283回目は『Streets of Rogue』を紹介する。
『Streets of Rogues』は、見下ろし型ローグライクアクションだ。プレイヤーは特徴の異なる15の職業(プレアルファ時点)の中から1つを選び、ランダムで生成する街の一角にスポーンされゲームが始まる。見るからに治安の悪そうな裏通りは各エリアに分けられており、エリアごとに設定されているミッションをこなし、次なる区画を目指していく。
『Streets of Rogues』の魅力は『The Escapists』が持つような自由度だろう。ミッションの幅は広く、さまざまな手段でミッションを遂行することが可能。特定の対象を殺害するミッションならば、通りの人を殴打することでお金を奪い、そのお金で雇った奴隷を盾代わりにターゲットを襲うというインモラルなプレイから、 体力に自信を持つソルジャーを選び、真正面から血の雨を降らせつつ強引にミッションを終わらせてもいいだろう。施設内の金庫の中身を盗むミッションでは、室外機に人を狂わせる薬品を流し込むことで施設内の職員同士を争わせたのち、もぬけの殻になった屋内から目的の品を入手することもできる。ほかにもハッキングで警備システムを改造したり、シーフとなりピッキングを重ねたりするなど、とにかくここには書ききれないほど自由なプレイが可能だ。
アクションも『Nuclear Throne』や『The Binding of Isaac』を参考にしたというだけあり、シンプルながら爽快感のあるエフェクトが気持ちいい。難易度も低くないので、戦闘に頼るプレイをする際には敵キャラとの距離の取り方に気をつけなければいけない。爆風に巻き込まれたり、敵に囲まれて攻撃を受けたりするなど、熾烈なダメージを食らってしまえばあっという間にゲームーオーバーだ。気軽にいろんな手段を試すことができる反面、ある程度の慎重さも必要となる。
プレアルファ版をプレイしてみたが、職業による個性はそれぞれ異なっており、非常にリプレイ性が強い印象を受けた。初期アイテムである爆弾を使えば建物ごと爆破することも可能で、かなりランボーなプレイも楽しめる。 ハプニング性も強く、バーテンダーと殴り合いをしている際に流れ弾がほかの客にあたり、その客とバーテンダーのケンカが始まるといった“GTA的な事故”も多くなかなか笑える。ローカル協力プレイも可能となっているうえ、画面分割もかなりスムーズに遊べる。操作面などまだまだ洗練されていない部分も多いが、プレアルファ版の時点でかなり面白くなりそうな予感が漂っている。
開発は、アメリカ・ロサンゼルス在住のMatt Dabrowski氏がひとりでおこなっている。Dabrowski氏は若いころからとにかくローグライクゲームを愛していて、こういったジャンルに自由度を加えた作品を生み出したいという思いから本作は生まれたのだという。パブリッシャーは、意欲的な2Dゲームのプロデュースに定評のあるTinyBuid。『SpeedRunners』『Punch Club』といったタイトルを担当した同社のバックアップがあることは心強い。
プレアルファ版は公式サイトにて無料配信中。どのような形態でいつ発売されるかはまだ告知されていない。