「少女」と「犬」が荒廃した土地を行く、『DEAD YEARS』は人と犬を切り替え広大な世界を歩くポストアポカリプス・アクション

第262回目のIndie Pickで紹介する『DEAD YEARS』は、荒廃した世界を舞台としたアクションアドベンチャーゲームだ。舞台は、謎の感染症が発生した6か月後のアメリカに似た世界。主人公の少女が空からパラシュートで着陸するところからゲームは始まる。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第262回目は『DEAD YEARS』をピックアップする。

『DEAD YEARS』は荒廃した世界を舞台としたアクションアドベンチャーゲームだ。舞台は、謎の感染症が発生した6か月後のアメリカに似た世界。主人公の少女が空からパラシュートで着陸するところからゲームは始まる。彼女は記憶を失くしており、わかっていることは一緒にいる犬が唯一の友であり仲間であることと、「DEAD YEARS」という街のそばにいるということだけだ。荒廃した世界が舞台ということで、ゲーム内にはゾンビ・ミュータント・野生動物など無数の敵が存在し、プレイヤーに牙をむく。そういった化物に対抗するための装備や、明日を生きるための食料を集めながら自分が何者なのかを探ることとなる。

本作の醍醐味のひとつが、探索だ。プレイヤーは荒れ果てた広大な土地の中で記憶のヒントを探しだす必要がある。世界には何百種類ものロケーションポイントが存在しており、それらを目印にしながら旅を続けるのも良いだろう。廃墟と化した高速道路や市街を歩きまわり、荒れ果てる前の文化に触れることもできる。

ゲーム内に存在する建物はすべて中に入ることが可能だ。しかし、すべての建物の鍵が開いているわけではなく、基本的にはロックピックスキルやこじ開ける武器が必要となる。建物の中で生存者と出会い協力することもあれば、敵対することもある。入ることが困難な建物であるほど、その内部にはレアなアイテムが存在している。

indie-pick-262-dead-years-001ここまでの説明を見ると『Fallout』シリーズを彷彿とさせる要素が多い。実際に開発者は同シリーズや『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの影響を強く受けていると語っている。本作がほかのサバイバルゲームと異なっている点は、“犬へのこわだり”だろう。最も顕著なのは、犬をプレイアブルで操作できるところだろう。プレイヤーは、主人公の少女と犬を、必要となる特性に応じていつでも切り替えて操作することができる。もちろん食料はそれぞれに合ったものでなければならず、犬にチョコレートを与えれば病気になるし、少女に生肉を食べさせても喜びはしない。

クエストをクリアしたり敵を倒すことによって得られる経験値によって少女は成長し、同様に犬も成長する。成長したスキルポイントでそれぞれのスキルツリーから必要なアビリティを取得していく。相棒というより主人公と言うべきポジションとなるこの犬も多くの謎に包まれており、ゲームを進めていくとプレイヤーは子犬時代の記憶を垣間見ることになる。犬と少女という組み合わせは、他の映画やゲームの傾向をみるに、終盤に犬が死んでしまうのではないかと懸念されやすいようだが、開発者は『DEAD YEARS』は犬が悲痛の死を迎えるといった安直な終末は用意されておらず、あくまで犬は生き続けることを明言している。

開発を担当するのはカナダを拠点とするスタジオZerobyte。2人のスタッフと2匹のフェレットで構成されており、すばらしいゲームを作り上げるために『DEAD YEARS』の開発に日夜取り組んでいるのだとか。

2013年からプロジェクトがスタートし、およそ3年間を費やし開発が進められてきた本作の発売予定日は2017年8月。対応プラットフォームはPC、のちにコンソール機への展開も予定されている。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

記事本文: 5197