悪魔と霊魂の世界で戦い舞う”幽体離脱”2Dアクションゲーム『Kologeon』がスタイリッシュ、不滅の魂が行く片道キップの冒険描く

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第259回目は『Kologeon』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第259回目は『Kologeon』をピックアップする。

『Kologeon』は4人組のゲーム開発チーム「ChillCrow」が開発を進めている2Dアクションゲーム。プレイヤーは不滅の魂であるという謎のキャラクターを操作し、悪魔と霊魂が存在する奇妙な世界を探索してゆく。世界観の設定や物語に関する詳細はほぼ伏せられているが、トレイラーやgifイメージからはスタイリッシュなアクション性が確認できる期待作だ。

『Kologeon』はアクションRPGにローグライクの一部要素を加えたような内容となっている。プレイヤーは自動生成される世界を探索し、悪魔と戦ったり霊魂と対話しながら物語を読み解いてゆく。

死亡してもそれまでの進行度はリセットされず、また経験値やレベルの概念も存在しない。「マップを覚えたり同じことを何度も繰り返したりする必要はない」と、開発陣は”非反復性”を強調している。さらに本作は一度進んだら元いた場所には後戻りできないような構造になっているそうだ。同じような体験は二度と存在しない片道キップの冒険が、本作における1つのアピールポイントとなっている。

死亡すると身体が消滅し魂だけの存在となってしまうので、残された"灰"から復活しなければならない。フロム・ソフトウェアの『Souls』シリーズを想起させるシステムだ
死亡すると身体が消滅し魂だけの存在となってしまうので、残された”灰”から復活しなければならない。フロム・ソフトウェアの『Souls』シリーズを想起させるシステムだ

『Kologen』の2Dアクションは一見するとかなり複雑そうに思えるが、キーとなるシステム「幽体離脱(Realm Travel)」を理解するとそれほど難しくはない。ゲームの主人公である不滅の魂は、自身の身体から一時的に離脱することが可能。幽体離脱をすると、「バレットタイム」のように時間をゆっくりと進めたり、敵の悪霊にとり憑いたりすることができ、戦闘をより楽に進められる。

ただし幽体離脱中は身体が無意識下に落ちるほか、秒ごとに幽体の勢いは弱まっていくため、使いどころには注意しなければならない。また時間をゆっくりと進める能力は、身体に負荷がかかりダメージを受ける仕様になっているという。通常状態と幽体状態を上手く切り替え、スピーディに敵を殲滅するという戦い方が、プレイヤーには求められる。

幽体離脱は戦闘だけでなく、移動や霊魂との対話にも使用する。幽体離脱を解くと身体が幽体へと引っ張られる特性を利用し、通れない場所を進んだりすることができる
幽体離脱は戦闘だけでなく、移動や霊魂との対話にも使用する。幽体離脱を解くと身体が幽体へと引っ張られる特性を利用し、通れない場所を進んだりすることができる
大鎌や弓矢などさまざまな武器が確認できる。このほか、かつて存在した半神たちの断片を武器に装着することができる
大鎌や弓矢などさまざまな武器が確認できる。このほか、かつて存在した半神たちの断片を武器に装着することができる

『Kologeon』はPC/Mac/Linux向けにリリース予定。発売時期は明らかにされていないが、現在は3万5000ドルの獲得を目指すKickstarterキャンペーンが実施されており、各種リワードの提供は2017年12月になると表記されている。Steam Greenlightにも登録されているので、気になる読者はそれぞれチェックしてみよう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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