宝の運び屋と人間の道中記。奇妙な神の世界を美麗に描く国産アクションゲーム『Outrider Mako ~露払いマコの見習い帖~』開発中
発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第257回目は『Outrider Mako ~ 露払いマコの見習帖 ~(仮称)』をピックアップする。
本作はtumblrとTwitter上でゲーム開発者の「あさまど氏」が制作過程を報告している2Dアクションゲームだ。まだどんな作品か詳細は明らかにされていないが、滑らかに動く2Dドットアニメーションと、触っていて心地よさそうな戦闘アクションはなかなかのクオリティを見せつけている。今回はあさまど氏に取材をし、同作がどのようなタイトルとなるのかを紹介して頂いた。
グラフィックなどは仮素材で不完全なものとのこと。この敵画像も仮のもの
『Outrider Mako』は、神々に仕え神宝を運ぶ「運び屋ブモン」と、その露払い見習いである人間マコの道中記を描く2Dアクションゲームだ。プレイヤーは人間のマコを操作し、ブモンの運ぶ神宝を狙う物の怪を追っ払う、つまりは”露払い”をしなければならない。現在はステージクリア型の作品を想定して開発が進められているとのこと。
神々に仕え神宝を運ぶ「運び屋ブモン」とその露払い見習いである人間マコの道中記。
ここは神々の住む世界。
ブモンは神々に仕えて神宝を運ぶ神界の運び屋。幾度となく依頼神から預かった神宝を受取神へ届けきた。
今回の依頼は少し勝手が違った。神宝を奪おうとブモンを付け狙う物の怪(もののけ)が現れたのだ。
ブモンは神界においては他者を攻撃することが許されておらず、いわばボディーガード役である露払いの者がいなければ無事に依頼を完遂することは不可能と思われた。
そこで彼が雇ったのがマコと名乗る一人の露払いであった。しかしこの娘、なんと人間でありしかもまだ見習いだと言う。
そんな2人の神界道中の行く末はいかに。
日本の神道のイメージをモチーフにしている部分があるというビジュアルは、どこか和を感じさせるようなアクセントがありつつ、奇妙でキュートなテイストにまとめ上げられている。揺れる草や差し込む光、空を飛ぶ鳥にぬるりと動く敵など芸が細かいが、あさまど氏は今作で初めてドット絵に挑戦しているのだという。それだけでなく、ゲーム開発や“プログラミングと言えるようなもの”も今回が初挑戦だそうだ。Web関係の仕事でスクリプトに触れたことはあるが、曲作りを除いて勉強しながらゲームの開発を進めている。開発では2Dゲーム制作に特化したYoYo Gamesの「GameMaker」を採用、ドット絵はEdge 2とPhotoshopで、音素材はCubaseで制作されている。
日本の神道がモチーフではあるものの、宗教的な作品にするつもりはないとのこと。マコが持っている武器の大幣(棒に紙の束がついてるもの)も、海外のプレイヤーに伝わらない可能性があるので細かい部分で変えるかもしれないそう
ゲームプレイは“軽快で忙しいアクション”になる予定。主人公のマコだけでなく、道中を進む運び屋のブモンが倒されてもゲームオーバーとなるため、プレイヤーはブモンを守りつつゴールを目指さなければならない。次の世界へ繋がる門へとたどり着けばステージクリアとなる。「心地よいアクション性」もポイントの1つで、あさまど氏は以下のように説明している。
なお難易度はなかなか歯ごたえのあるものとなるようだ。あさまど氏は美しい世界を探索して楽しむゲームにしたい気持ちがある一方で、「こんなステージ作りました!難しいよ!クリアできますか?という挑戦状を送りたい」という気持ちもあると伝えている。感銘を受けたタイトルとして『Dark Souls』が挙げられており、同作の手応えやステージデザインにはかなりの衝撃を受けたそうだ。
同じくGameMakerで制作されている『Hyper Light Drifter』や、懐かしいドット絵の感じがする『Secrets of Grindea』なども最近プレイしているという
『Outrider Mako ~露払いマコの見習い帖~(仮称)』のリリース時期は未定、現時点での対象プラットフォームはWindows。「リリース予定は未定です。生活費が尽きる時がタイムリミットですので、それまでに完成させるべく頑張っています」とのこと。