街を積み上げる都市開発シミュレーション『BalanCity』深く考えられた物理演算パズルと都市開発の融合

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第243回目は『BalanCity』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第243回目は『BalanCity』をピックアップする。 同作はピースを積み上げる物理演算パズルと都市開発シミュレーションを組み合わせたゲームだ。物理パズルと都市シミュレーションはまったく別のジャンルだが、この二つの要素がうまく組み合わさっている。

都市開発シミュレーションゲームといえば、『SimCity』シリーズのような見下ろし型で、街をデザインして人口を増やし、発展を目指すのが一般的だ。しかし『BalanCity』では、プレイヤーは不安定なバランス板の上に建物を建てる。電力や人口といった都市シュミレーションの要素がありながらも、建築をピースのように積み上げるタイプの物理演算パズルゲームにもなっており、より街が高くなることを目指す。

『BalanCity』では好きな順序でさまざまな建築物を積み上げることができる。家や学校は軽く四角い形をしていて建てやすく、さらにお金の概念もないので好きなように建てることが可能だ。では建てやすい建物ばかりを建てていたら簡単じゃないか、と思うかもしれないが当然そうはいかない。本作ならではならではの要素として、街の高さの制限と、それを解除する「ランドマーク」があるのだ。

高く積み上げるほど必然的に不安定になっていく
高く積み上げるほど必然的に不安定になっていく

街が発展していけば建築物もどんどんと積み上がっていき、街は上へ上へと広がっていく。しかし本作には高さの制限が決まっており、一定の高さまでしか建物を積み上げることができない。この高さの制限を解除するためには、人口を増やすことで建築できるようになるランドマークが必要となる。このランドマークが実はかなりのくせもので、建築可能になった時点でほかの建物は立てられなくなるのだ。天井が丸いホワイトハウス、片手を上げた銅像など、綺麗に街を開発するにはかなり邪魔な建物ばかり。そういったクセの強い建築物をどう設置するかが、プレイヤーの腕の見せ所になってくる。

街の一部が崩れ落ちてしまってバランス板さえ残っていれば街を復興させることは可能だが、大きな崩壊が遅ればバランス板も落ちてしまい、ゲームオーバーとなる。

画像02 大きく崩れてしまえばあっという間に崩れ去ってしまう
画像02 大きく崩れてしまえばあっという間に崩れ去ってしまう

とても斬新な発想でありつつも内容はシンプル。それでいて、『BalanCity』はきちんと考えさせられるパズルゲームであり、都市開発シミュレーションゲームでもある。現在はβ版をこちらから無料でダウンロードすることができる。β版では自由に街を積み上げる「フリービルディング」モードのみ収録されているが、製品版では指定された目標を達成する「ミッション」や、実際に存在する都市を積み上げる「シナリオ」モードも用意される予定だ。PC版だけでなくモバイル版のリリースも予定している。

Shun Kurosawa
Shun Kurosawa

得意なジャンルは黙々と練習するゲームですが、基本的になんでもやります。モバイルもアーケードもやりますが、協力プレイは役立たっているのか心配しつつプレイします。

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