不死者はロック&メタルで蹴散らせ、ドラムで”ガンビート”を刻みゾンビを撃ちまくる熱い音ゲー『Double Kick Heroes』がSteamで配信へ

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第241回目は『Double Kick Heroes』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第241回目は『Double Kick Heroes』をピックアップする。

「エクスプロッシブ・メタル・リズム・ゲーム」と銘打たれた本作は、ゾンビアポカリプスで人類文明が崩壊した世界を、5人のイカれたバンドマンとツアーマネージャーが駆け抜けるリズムアクションゲームだ。プレイヤーは疾走中のオープンカー「Gundillac」にゾンビが追いつかないよう、ビートを刻み銃撃を繰りだしてゆく。

このオープンカーの後部には左右に1つずつ銃が設置されており、さらにそこへドラムセットが接続されている。ドラマーがビートを刻めば、それに呼応して銃口から弾が放たれるという馬鹿げた仕組みだ。タイトルにもある「ダブルキック」とはバスドラムを一連の動作で2度叩くテクニックのことで、言葉の意味が指す通りプレイヤーはとにかくドラムをリズムに合わせて連打しまくり、波のように襲い来る大量のゾンビを倒す必要がある。ドラマーの負担が心配でならない。

運転を担当するマネージャーとドラマー以外の3人は楽器を鳴らしているだけのように見えるが、ゲームプレイ面でなにか参加してくれるのかは不明。一体化した1つのバンドとしてゾンビと戦っている、ということなのかもしれない

ゲームプレイは一般的な音楽ゲームのシステムとほぼ同じだ。画面下部のセクションでは右側から「ノーツ(黄色い玉)」が流れてくるので、それを白い線で区切られているエリア内でタイミングよく押せばいい。普通の音ゲーと唯一異なるのは、ノーツが来た際にキーボードの「←」を打つと左の銃が、「→」を打つと右の銃が火を吹くという点。プレイヤーはゾンビが多い方向はどちらか、巨大ゾンビがどの方角からやって来ているのかなど確認しなければならない。

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音ゲーに乗る感覚と銃を撃つバイオレンス感が相乗する

ゲーム中には30曲ものメタルトラックが収録されるほか、プレイヤーが音楽をインポートしたり、コミュニティがデザインしたトラックでゲームをプレイすることも可能とのこと。とりあえず購入予定者は「マッド・マックス 怒りのデスロード」のサントラやお気に入りのメタルの名盤を用意しておくべきだろう。このほかオープンカー「Gundilac」の装備をカスタマイズできる要素や、さまざまな種類のゾンビが登場することなども明らかにされている。

『Double Kick Heroes』は、もとは2015年12月に開催されたゲームジャム「Ludum Dare 34」にて公開された作品だ。小気味いいピクセルアート、クールでイカれた世界観は当時から評価されていたようで、同ゲームジャムでは「オーディオ(Audio Jam)」のレーティングで金メダル、「かっこよさ(Coolness)」で銅メダルを獲得している。開発スタジオは「Headbang Club」という名の新規スタジオで、『ナイトメア・クリーチャーズ』や『AlphaBounce』といったゲームを手がけてきたフランスの開発者が集まって結成されたという。またフランスのメタル界でさまざまなバンドと仕事をしてきたミュージシャンのElmobo氏も参加している。

ゲームジャム版は現在もこちらのページでプレイ&ダウンロード可能だ。基本連打していればクリアできたり、ノーツの構成がイマイチだったりと荒い面は目立つが、雰囲気だけでも味わいたい方はぜひ触れてみて欲しい。『Double Kick Heroes』は2016年冬にリリース予定。対象プラットフォームはPC/Mac/Linuxで、現在はSteam Greenlightに登録されている。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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