“ホームレス”が現代の町で生き延びるサバイバルRPG『Hobo: Tough Life』開発中、コンクリート・ジャングルで描かれる自由の生活

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第239回目はサバイバルアクションゲーム『Hobo: Tough Life』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第239回目はサバイバルアクションゲーム『Hobo: Tough Life』をピックアップする。『DayZ』や『H1Z1』、あるいは『Rust』などさまざまなサバイバルゲームが近年登場してきたが、本作『Hobo: Tough Life』は”現代の一般的な町”が舞台という異色の作品だ。ただし主人公は素寒貧のホームレス。プレイヤーは持たざる者となり、弱者に厳しいこのコンクリート・ジャングルで生き延びなければならない。

ゲーム中には地下鉄の駅やセントラルスクエア、公園などさまざまなロケーションが存在しており、プレイヤーであるホームレスはこれらの場所を探索して、生き延びるためのアイテムを集めなければならない。飯を食い酒を飲むためにゴミ箱を漁り、助けを請い、時にはスリにも手を染める。文字通り次の日を迎えるためになんでもしなければならないのだ。また冬の凍えるような夜は主人公にとって最大の敵であり、なにかを燃やして暖を取らなければならない。

『Hobo: Tough Life』はチェコ共和国の小さなインディーデベロッパー「Moravia Tales」がUnityで開発を進めているタイトルだ。もとは「Inflame Olomouc」と「T4J」と呼ばれる2つの開発チームが結成してできたデベロッパーで、チームリーダーのRoman Valenta氏が指揮を取る。彼らは「我々はRPGゲームを愛している、そして誰も聞いたことがないような物語を語りたいんだ」とも伝える。

このメッセージの通り、『Hobo: Tough Life』はサバイバルゲームでは珍しくストーリーにも重きを置いた作品となるようだ。ホームレスであるプレイヤーは飢餓や寒さだけでなく、人間の無関心さにも触れてゆく。『Hobo: Tough Life』はリアルな”ホームレス・シミュレーター”といった趣ではなく、現実世界の不幸な物語やどこかロマンチックなストーリーが語られてゆくという。なおタイトルにもある「ホーボー」とは、19世紀から20世紀前半にかけて、アメリカ大陸で仕事を求め旅を続けた宿なしたちのこと。豊かではないがどこか自由を謳歌していた人々である。

グラフィックはまだまだといった感があるが、『Hobo: Tough Life』の開発は本格的に始まった。近日中にもSteam Geenlightに登録する予定とのことで、今後の進捗に期待したい。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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