「ワンダと巨像」の壮大さと「Demon’s Souls」のチャレンジ性と、2DアクションRPG『Death’s Gambit』が年内にSteam/PS4でリリース予定

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第237回目は2DアクションRPG『Death's Gambit』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第237回目は2DアクションRPG『Death’s Gambit』をピックアップする。本作は2014年7月に海外のインディーゲームフォーラム「TIG Forum」に投稿され、2015年には当初予定していたPCだけでなくPS4でのリリースも決定したタイトル。さまざまな魅力や特徴があるのだが、まずはトレイラーから美麗で迫力ある2Dドットアニメーションをチェックして欲しい。

『悪魔城』『Dark Souls』『ワンダと巨像』の影響が挙げられている『Death’s Gambit』。ノンリニアな探索アクションゲームとなることが明らかにされている

『Death’s Gambit』の舞台となるのは、地球とは様子の違うどこか遠くに位置する惑星だ。地球でいう中世のレベルまで発展した文明が栄えており、世界は野獣と騎士と恐怖で満ちているという。プレイヤーは青白い肌の上に甲冑を装備した「死の代理人(Agent of Death)」として、激しい戦いの中に身を投じなければならない。プレイヤーは広大なワールドを探索してゆくことになるが、各エリアと各エリアの境目には強大なボスが待ち受けている。

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緊張感あふれる敵とのバトル

開発を担当するのは米国のインディーデベロッパー「White Rabbit」。リードデザイナーのJean Canellas氏は、『Death’s Gambit』は『Demon’s Souls』を初めてプレイした時から数年にわたり心の中にあったアイディアだと語っている。剣と弓と盾と回避、そしてスタミナを中心とした戦闘アクションは、確かに「Souls」シリーズの強い影響を伺わせる。このほか戦闘ではさまざまな武器や防具、アビリティが使用できるという。

EITR』や『Titan Souls』など、「Souls」シリーズの影響を受けた作品はすでにいくつも存在しているが、”もし2D横スクロールアクションならどうなるのか”という試みはなかなか興味深い。奥行きがなくなる分、恐らく回避があらぬ方向にいったり見えないところから敵に攻撃されたりといった複雑さや不安定さは本家より減少するだろう。よりシンプルで簡潔に、ただし手に汗握るチャレンジ性が楽しめるような作品となるのかもしれない。

ゲーム中には多数のNPCが登場し、武器や防具を売買したりすることができる。非推奨だがNPCを殺害することでアイテムを取得することも可能で、この辺りも「Souls」風だ
ゲーム中には多数のNPCが登場し、武器や防具を売買したりすることができる。非推奨だがNPCを殺害することでアイテムを取得することも可能で、この辺りも「Souls」風だ

また『Death’s Gambit』のほかの魅力の1つが、巨大な敵やボスとの熾烈な戦闘だろう。特にトレイラー中にも登場する巨大な敵たちとの戦闘は本作の壮大さを象徴する部分であり、敵によじ登るアクションや馬に乗っての移動なども相まって、『ワンダと巨像』を強く意識させる。ゲーム中にはトレイラーにも登場した山のような巨大な敵、縛られた巨大なオーガ、主人公が背中に乗るシーンも見られる巨大なフェニックスなどが登場するという。

開発陣が「死にまくる準備をしろ」とゲームを紹介していることからもわかるように、『Death’s Gambit』は絶望するほど死にまくることができるゲームとなっているようだ。同作は2016年内にPC(Steam)/PS4向けにリリース予定。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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