壊れた”物語の世界”たちを修復する2Dアドベンチャー『Totem Teller』世界の管理者”語り手”となり物語を語り直す

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介していく「Indie Pick」。第236回目は『Totem Teller』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介していく「Indie Pick」。第236回目は『Totem Teller』をピックアップする。

『Totem Teller』は、壊れてしまった”物語の世界”を本来の状態へと修復するオープンワールド2Dアドベンチャーゲームだ。”語り手”となったプレイヤーは、”物語の世界”に存在するいくつもの問題を解決し、そのお話をもと通りに語り直さなければならない。

 

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『Totem Teller』では複数の世界が互いを取り囲むように存在しており、ゲームの大部分は“物語の世界”の内側で進行する。プレイヤーの分身である修行僧のような身なりの語り手は、時空と時限を飛び越えるこの複数の世界の管理者だ。ある日、世界の衰退に気づいた語り手は、物語が崩壊するリスクを背負いながらも、世界を修復するため文化や人間性、宿命にさえも間接的に干渉していく。

ゲームの最終目標は物語を修復し収束させること。そのためにはさまざまな場所をめぐり、壊れたキャラクターを直し、プロットの穴を塞がなければならない。それらの問題点をどのように修復するかは、ゲーム内の選択肢や行動によって変わるようだ。穴だらけのプロットの方向性を決めるのも、壊れたキャラクターをどのような性格にするかも、プレイヤーに委ねられることになる。

 

キャラクターやプロットをただ単に修復するのではなく、世界に欠けたピースを集めて繋ぎあわせ、それらの自意識に訴えかけて目覚めさせるという設定も興味深い。

 

本作を開発しているのは上海に拠点を構えるGrinning Pickle。Ben Kerslake氏とJerry Verhoevenのふたりで構成されているスタジオだ。2人はともに『アリス マッドネス リターンズ』などを手がけたSpicy Horse Gamesでキャリアを積み、2015年から独立し本作に取り組んでいる。美しさと禍々しさという二面性を持つ本作の独特なグラフィックは、デザイナーのKerslake氏がUnityを用いて描いているようだ。

対応プラットフォームはPC/Mac/Linux。発売時期などはまだ明かされていないが、Grinning PickleのTwitter公式アカウントでは定期的にスクリーンショットとあわせて開発進捗の報告がなされている。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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