マイナス100度の極寒世界を生き抜く一人称視点アドベンチャーゲーム『Near Death』Steamで年内リリースへ、南極調査施設が舞台の自然サバイバルホラー

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第235回目は『Near Death』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第235回目は『Near Death』をピックアップする。『Near Death』はマイナス100度の極寒世界で遭難した主人公のサバイバル劇を描く一人称視点アドベンチャーゲームだ。冬の緊急フライトのなか、主人公が搭乗していた飛行機は猛吹雪に見舞われ、遺棄されていた南極調査施設の近くに不時着してしまった。希望も救援も望めない絶望的な状況で、プレイヤーは様々な手段で寒冷の脅威に立ち向かい、なぜかまだ無人で活動を続けているこの調査施設に隠された謎と直面することになる。

『Near Death』は天候が変動してゆくリアルな南極の極寒地獄を描くことを目的としている。まず猛吹雪のなかは真っ暗で視界を確保することができず、プレイヤーは雪上に光る道標を刺しつつ目的地へと向かわなければならない。凍って動かなくなった扉や障害物を温めて氷を溶かし、施設のなかに入りこんで物資を探しだす。体温を維持するために携帯用ヒーターを使用する必要もある。少し古くさいグラフィックも相まって、最近流行の『The Long Dark』と言うよりは、2009年にリリースされた『Cryostasis』を思いださせる内容だ。

また特徴的なメカニックとしては、リアルな気温シミュレーションが『Near Death』には存在している。外気にさらされているか、建物のレイアウトはどうか、調査施設の電力が動いているかなどで気温は空間ごとに変化し、部屋のなかが凍りついたり、あるいは凍りついてた箇所が溶けたりするのだという。プレイヤーは損傷したエリアを修復したりして、安全な領域を確保しなければならない。

グラフィックは『Half-Life 1.5』といった感じで懐かしい感じがするが、見ているだけで身体が震え上がりそうな雰囲気や世界観作りは抜群

このほかゲームの舞台となる南極調査施設はオープンワールド環境となっており、プレイヤーは自由に施設内を探索することができるという。ただ開発者のKent Hudson氏は、同作が昨今流行のサバイバルアクションゲームでは無く、南極の恐ろしさを伝える没入感ある作品となることを明言している。Hudson氏は南極を体験した冒険者や南極の研究者にインタビューしているとも伝えており、南極の極寒地獄については調査し尽くしているようだ。

なお開発はKend Hudson氏が率いる米国のインディーデベロッパーOrthogonal Gamesが担当しており、Hudson氏のほかに2人の開発者が参加していることが明らかにされている。Hudson氏は『Deus EX: Invisible War』や『BioShock 2』などの開発に参加してきた業界のベテランで、同スタジオではすでに『The Novelist』と呼ばれる家庭問題にフォーカスしたゲームを開発している。今回の『Near Death』は同スタジオ2作目の作品となる。

『Orthogonal Games』はPC/Mac/Linuxに向け2016年内にリリース予定だ。すでにSteamの商品ページも登場しているので、続報が気になるユーザーはチェックしておこう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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