性なる騎士ランスロットが行くアドベンチャーゲーム『Lancelot’s Hangover』開発中、モンティ・パイソンの「ホーリーグレイル」調に描く

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第231回目はポイント&クリックタイプのオールドクラシックなアドベンチャーゲーム『Lancelot's Hangover: The Quest for the Holy Booze』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第231回目はポイント&クリックタイプのオールドクラシックなアドベンチャーゲーム『Lancelot’s Hangover: The Quest for the Holy Booze』をピックアップする。

「ランスロット」は、アーサー王物語に登場する円卓の騎士の一員である。円卓の騎士たちを率いた無敵の英雄であり、親友の王妃と恋に落ち戦友たちと相まみえることになった悲劇の人物。現代でも様々なキャラクターの下敷きや名前として登場しているが、そんな伝説的な人物が”パンツ一丁”で進む馬鹿馬鹿しい冒険を描くのが本作『Lancelot’s Hangover』だ。

『Lancelot’s Hangover』の主人公である”性なる”騎士(Sexiest Knight)こと「ランスロット」は、ある日原っぱの上で寝ていると、聖杯を見つけるよう神より命じられてしまう。男はクソッタレ、女は異常な長髪しかいない危険な地「フランス王国」を舞台に、ランスロットは聖杯に酒を注ぐためイカれた冒険に乗り出すことになる。

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モンティ・パイソン「ホーリー・グレイル」

円卓の騎士や聖杯を探す設定からピンと来た人も居るかもしれないが、本作はイギリスのコメディ集団モンティ・パイソンの映画「ホーリー・グレイル」にインスパイアされたナンセンスコメディ調の作品だ。ゲームでは序盤からオナラの推進力と投石器で飛ぶ天使が登場したり、羊飼いに飼われ羊みたいに鳴いてる大麻草がいたりと、ぶっ飛び放題。1日のうち14時間はドラッグでハイになっていると自称するベルキー人開発者Jean-Baptiste de Clerfaytは、本作を「『Monkye Island』と”ホーリー・グレイル”が出会ったような作品」と説明している。

雑だが味のあるグラフィックとモンティ・パイソンを思わせるナンセンスギャグの数々は、人を選ぶだろうがとても愉快。『Lancelot’s Hangover』は現在Kickstarterにて1万ユーロの獲得を目指すクラウドファンディングを実施中で、無料のベータ版もリリースされているのでチェックしてみよう。対象プラットフォームはPCのみ、発売時期は2016年10月で価格4.99米ドルが予定されている。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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