槍兵と隊列を入れ替えろ、マスケット兵二段撃ちアクション『Pike’n Shot』開発中。銃が登場したばかりの16世紀の戦いを2Dドットで描く

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第230回目は『Pike'n Shot』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第230回目は『Pike’n Shot』をピックアップする。

本作は銃が戦場に登場し始めたばかりの16世紀の戦いをテーマに描かれる2D横スクロールアクションゲームだ。プレイヤーはマスケット兵とパイク兵(槍兵)、さらに歩兵で構成された小隊を引き連れ、隊列を巧みに入れ替えながら敵軍を打ち倒してゆく。開発者のJames Edward Smith氏は、本作を「FPNSHUMP(A Formation Pike & Shoot’em up、フォーメーションパイク&シューティング)」とも説明している。

ゲーム内で操作する小隊は4列前後の隊列を組んでおり、基本的には2列のマスケット兵と2列のパイク兵が存在している。プレイヤーはZボタンを押すことでパイク兵を前面に、Xボタンを押しだすことでマスケット兵を前面に押しだすことが可能。ここでさらにそれぞれのボタンを押せば、各兵が固有の攻撃を繰りだす。

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ジャンルやルールは異なるが、スピーディなアクションの中でエレメントを組み合わせ魔法を生みだす『Magicka』をどことなく思い出すゲームプレイ。プレイヤーは瞬時に隊列の入れ替えを判断しなければならない

まずパイク兵の攻撃は、前面に長いパイクを突き出すというものだ。ボタンを押し続ければパイクを前に突き出した状態のまま移動することも可能で、盾を装備していない敵兵は、この槍先に触れただけで根こそぎ倒されてゆく。対してマスケット兵は、マスケットの銃撃にてパイクよりもさらに遠くにいる敵兵を倒すことができる。ただし銃弾の弾込めには時間がかかるため、二段撃ちを終えたあとは連続して攻撃を繰りだすことはできない。

わらわらと動く小隊が隊列を入れ替えたり、マスケット兵が二段撃ちしている精細なアニメーションを見ているだけでも楽しいが、『Pike’n Shot』はそれだけではない。たとえば盾を持った敵兵は、マスケットで盾を破壊してからでないとパイクで倒せない。投石などで攻撃してくる敵は、やはりマスケットで倒さなければ近づく前に自軍の被害が拡大してしまう。隊列の入れ替えやマスケット兵の二段撃ちのタイミングを考慮し、敵の集団を華麗にさばいていく”小隊指揮力”がプレイヤーには要求されるのだ。基本的にはパイクで小隊の前面を防衛しつつ、ここぞというタイミングでマスケット兵の攻撃を放つことになる。

doppelなお本作には画面左側のメーターで表示される「資金」の概念が存在しており、小隊の兵が死亡した場合はこの資金を支払って補充するというデザインとなっている。プレイヤーは兵隊を失わずに資金を貯めると隊の後方に追従する歩兵を雇うことができ、隊から放って遊撃で乱戦させたり、周回させて隊の守りをより強固にすることが可能になる。まだいくつかのアイディアがある段階のようだが、小隊維持のシステムも色々と作り込まれる予定のようだ。

現在『Pike’n Shot』のリリース時期や対象プラットフォームは明らかにされていないが、インディーゲームのフォーラム「TIGForums.」ではアルファ版が無料で公開されているので、気になる読者はチェックしてみるといいだろう。まだゲームプレイの根幹部分しか完成しておらずあらい部分もあるが、隊列を入れ替えて敵を次々と捌いてゆくプレイ体験は新鮮だ。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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