美しい風景画を“描く”ために広大な島をめぐるオープンワールドアドベンチャー『Eastshade』が開発中
発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第225回目は『Eastshade』をピックアップする。
『Eastshade』は広大なEastshade島を探索するアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは画家の旅人として、美しい景色をキャンバスに描くために島を巡ることとなる。島には人々に忘れ去られた場所や未だ知られざる場所など、数多くの秘密スポットが存在している。それらのスポットをスケッチにおさめるためには、現地の住民と触れあい親睦を深め助言をもらうことが重要となる。
プレイヤーはいつどの場所でも風景を絵に描くことができ、そうすることで新たなアイテムや情報などが手に入る。手に入れた情報は現地の住民との会話につながっていくようだ。島にはプレイヤーの行く末を阻む障害物が存在し、手に入れたアイテムをクラフトして乗り越えていく必要がある。現地の住民も単なるNPCに終わらず、それぞれ個性豊かなものとなっている。キャラクターには24時間のライフサイクルが設定されており、それに基づきながらゲーム内で生活している。また、会話の選択肢によってキャラクターの未来が決定されたり、新たな人物との出会いにつながっていくことなどもあるのだという。
開発はDanny Weinbaum氏が中心となって進められている。Weinbaum氏は以前、『inFAMOUS』などを手がけたSucker Punch Productionsに在籍し、AAAタイトルの3Dアーティストとして世界観の構築に携わってきた人物だ。インディーゲームを開発するために退社を決意し、現在『Eastshade』を開発している。そのほかにもライター兼インターフェースデザイナー、コンポーザー、モデリングデザイナーが参加しており、計4人で開発が進められている。
『Eastshade』は戦闘がないことが大きなテーマとしてあげられている。実際にWeinbaum氏はよく「戦闘がないオープンワールドゲームが本当に楽しいのか」とたずねられるようだ。氏は本作を遊びたくなるゲームというよりも“行きたくなる場所”を目指して開発しており、非暴力性を徹底して追求しているのだという。しかし氏は、戦闘がないからといって『Eastshade』が風景を楽しむだけの“ウォーキングシミューレーター”になるわけではないと強調している。目指すべき場所は常に存在しており、だだっ広いエリアを理由なくさまようようなデザインにはならないと話す。また、プレイヤーの探索に応じたリアクションが用意されており、世界が生きていると感じられるようなインタラクティブ性を大切にしていると氏は語っている。ゲームの方向性として『Dear Esther』や『Gone Home』があげられやすいが、それらのタイトルのファンでなくとも本作を楽しめるようだ。
『Eastshade』はすでに開発開始から2年以上が経過しており、Weinbaum氏は「開発にかけた年月に相応する内容の作品になる」と自信を見せている。発売時期は未だ明かされていないが、PCでリリースされたのちにはコンソール機での展開を予定しているようだ。